「空調服」はファンを搭載した作業用ウェアとして認知されており、近年では仕事着だけでなくプライベート用としても人気が高まっています。しかし、「空調服」はウェアの種類を示す一般名称ではありません。一般名称は「ファン付き作業着」です。
この記事では、空調服という名称の定義とファン付き作業着の仕組みを詳しく解説します。開発・販売しているメーカーごとの製品名や仕組みを知れば、商品の選択肢が増えるほか、快適に過ごすためのヒントになります。ぜひ参考にしてください。
ここでは「空調服」という名称の定義を詳しく解説します。
空調服という名称は株式会社セフトの登録商標です。子会社の株式会社空調服が販売しています。1999年には水を使った初期モデルが生み出され、2004年モデルで現在の形に近づきました。広く普及するようになったのは2010年代です。
「空調服」という名称は株式会社セフトおよび株式会社空調服のものですが、他社もファン付き作業着を開発・販売しています。代表的なものはバートルのエアークラフト、サンエスの空調風神服です。
その他の会社もファン付き作業着を販売していますが、多くはウェアのみ自社開発です。ファン・バッテリーは空調服®・バートル・サンエスのものを採用しています。
たとえば、アイトスのファン付き作業着で採用しているのは空調服®のファン・バッテリーです。バートルやサンエスのファン・バッテリーの装着は保証対象外となります。ファン・バッテリーのメーカー・製品名・採用ウェアブランドは次のとおりです。
空調服・ファン付き作業着を構成するアイテムと涼しく感じられる仕組みを解説します。
空調服・ファン付き作業着を構成するものは、主に次の4つです。
ウェア
バッテリー
ファン
各種ケーブル
ウェアのサイドにある穴にファンを装着し、バッテリーと接続して使います。ファンがウェアの内側に向けて送風し、外気を取り込む仕組みです。
ウェアは取り込んだ外気(風)が内側で循環、排出できるよう工夫されています。ウェアの内部にこもった熱や湿気を風とともに排出するためです。風を巡らせることが重要なので、一般的な作業着よりも大きめに作られている傾向にあります。
詳しい使い方は次の記事をご覧ください。
エアコンのように冷風を送るわけではないのに空調服で涼しく感じられるのは、気化熱によるものです。気化熱は水分が蒸発するときに周囲の熱を吸収する作用を指します。夏に打ち水をするのも、気化熱を利用して周囲の温度を下げるためです。
人体では汗によって気化熱の作用が生じます。汗が蒸発するときに体表面の熱を奪うことで、体温が下がるという仕組みです。空調服で風を送ると汗が蒸発しやすくなるため、涼しさを感じやすくなります。
逆に言えば、汗をかいていないときに風を送り込んでも、涼しさを感じにくいということです。水分補給をしっかりおこない、汗をかくことが空調服で涼しく過ごすためのコツです。涼しく過ごすテクニックをさらに知りたい人は次の記事をご覧ください。
「空調服」は株式会社セフトの登録商標であることがわかりました。しかし、ファン付き作業着は空調服だけではありません。ファン・バッテリーのメーカーによって名称に違いがあるので、幅広い選択肢からファン付き作業着を選びたい人は覚えておきましょう。
空調服で涼しいと感じられるのは、風によって気化熱の作用効率が上がるためです。水分がなければ十分に機能しないので、汗をかくときに使うことをおすすめします。また、ウェア内で風が巡るように、ゆとりあるサイズを選ぶこともポイントです。
このように仕組みを理解していれば、ウェアや涼しさをアップさせるアイテムを選ぶときに役立ちます。ぜひ参考にしてください。