サイドファンの空調服・ファン付き作業着は、車両やフォークリフト運転時でも風が通る便利なアイテムです。しかし、背面ファンやハイバックファンにはないデメリットもあります。作業内容によってはミスマッチなこともあるため注意が必要です。
この記事では、サイドファンの空調服・ファン付き作業着の4つのデメリットを解説します。サイドファンの空調服を選ぶかどうか迷っているときの参考にしてください。
サイドファンの空調服のデメリットは次のとおりです。それぞれを詳しく解説します。
ファン部分が腕で塞がる
作業で発生する粉塵や火花が入りやすい
腕や工具が接触しやすい
通常のケーブルでは長さが足りないことがある
次のような場面では送風が十分に機能しません。
腕を下した状態
両脇に荷物を持って運ぶ
脇を締めて物を運ぶ
肩掛け鞄を下げる
ファン部分が塞がると外気を取り込めないため送風できなくなります。移動が多い現場や引っ越し作業などでは、背面にファンが付いている空調服の方が適しているでしょう。
コンクリート破砕による粉塵や溶接の火花などは手元で発生します。ファンが背面についているタイプと比べて、手元までの距離が近いサイドファンは異物を吸い込みやすいため、注意が必要です。また、腕を下したときに袖口に付着した異物を吸い込む可能性もあります。
肌のべたつきや呼吸器への影響といった不快感につながるほか、ファンが故障しやすいため、粉塵が多く発生するときはサイドファンの使用を避けるのが無難です。
小型ファンでも厚みは4cm程度あるため、腕や工具が接触することがあります。接触しないように気にして作業をすると効率が落ち、ストレスにつながるでしょう。とくに工具差しや腰袋をサイドに下げている場合には、相性がよくありません。
バッテリー1つで両サイドファンを動かそうとすると、背面に2個のファンを設置する場合と比べてファン同士の距離が遠いため、長いケーブルが必要になります。手持ちのデバイスを活用してウェアだけ買い換えたいという場合は、ケーブルの長さが対応しているかを確認しましょう。
ここまでを見るとデメリットが多く感じられますが、もちろんメリットもあります。利用シーンによってメリットとデメリットのどちらが強くなるかが異なるので、作業内容などを具体的にイメージして選ぶことが大切です。
サイドファンなら椅子の背もたれでファン部分が塞がることがないため、座る時間が長い作業におすすめです。
具体的には長距離トラック・重機・フォークリフトの運転があげられます。アイドリングストップの場所で休憩しているときや空調の効いていない室内でも涼しく過ごせるでしょう。
背面ファンと比べて体の前側にも風が通りやすいというメリットがあります。胸や腹に汗をかきやすい人におすすめです。ただし、お腹が冷えやすいということでもあるため、冷やしすぎないように注意しましょう。
軽量設計のファンであっても、背面に搭載するタイプは多少後ろに引っ張られるため、気になることがあるでしょう。サイドファンの方が重さの影響を感じにくく、重心にそれほど影響しません。足場が不安定な場所におすすめです。
サイドファンはコンクリート破砕や溶接などの作業には向かないというデメリットがあります。一方、車両運転時や足場が悪い現場での作業などではメリットも大きいため、利用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
なお、背面ファンタイプからサイドファンタイプに買い換えたときは、それまでに使用していたコード類の長さが足りないこともあるため、注意しましょう。