自宅での家事はもちろん、飲食店や保育園、医療・介護現場など、エプロンは様々なシーンで使われています。そのため一口にエプロンといっても、業務用や家庭用、胸当てや腰エプロンなど種類が多く、何を選べば良いかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エプロンの種類と選び方を徹底解説します。業務用と家庭用の違いや形状別の特徴、さらに業種別のおすすめエプロンもご紹介します。機能性に優れたものやおしゃれなものもあるので、エプロン選びに迷っている人はぜひチェックしてみてください。
ウォッシュキャンバス&ツイルエプロン(クロス) 1384-01
まずは業務用エプロンと家庭用エプロンの違いを解説します。
業務用エプロンは耐久性が優れていることが特徴です。家庭で使うよりも使用頻度や洗濯の回数が多いため、生地が摩擦などに強く丈夫に作られています。何度も洗濯を繰り返すことを想定しているので、色落ちしにくい商品が多いのもポイントです。
また、業務用は機能性に優れた商品が多くあります。抗菌性や制電性、撥水・撥油性など、機能性の高さが業務用エプロンの特徴です。飲食店や医療・介護現場など、あらゆる業種で役立つ多機能な商品も数多くあります。
家庭用エプロンはデザイン性を重視したものが多いという特徴があります。家の中だけで使うことを想定した、毎日の家事が楽しくなるような色・柄が家庭用商品の魅力です。かわいいデザインのエプロンも多いので、プライベートのプレゼントには家庭用がおすすめです。
続いてエプロンの形状・タイプ別の特徴を解説します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の求める特徴を持ったエプロンを選びましょう。
胸当てエプロンは、上半身から下半身まで体を広くカバーできるのが特徴です。そのため、汚れやすい作業で活躍します。胸当てエプロンは、形状や着脱方法が異なるH型・X型・首掛け型の3種類に分けられるので、以下でそれぞれの特徴をチェックしましょう。
H型は着脱のしやすさや動きやすさがメリットです。ボタンで留めるタイプが多く、紐で結ぶものと比べてサッと着やすく作られています。また、肩紐が太めで締めつけが少なく、着ていても楽に動きやすいのも魅力です。
デメリットは着用時のシルエットが太く見られやすいことです。見た目がストンとストレートな形をしていて紐で絞れる商品が少ないので、全体が太めに見えてしまいます。
X型(たすき掛け・バッククロス型)のエプロンは、フィット感を微調整できるのが利点です。ウエストを紐で結ぶ形状になっているため、体形に合わせて締め付け具合を調節できます。タイトに結べばスマートな見た目になるのも魅力です。
H型などと比べると、着用に少し手間がかかることがデメリットです。背中に手をまわして紐を結ぶという手間があるので、忙しい時にサッと着られる手軽さはありません。
首掛け型はサッと着られて、肩紐がずれにくいのがメリットです。首に引っ掛けて着られるので着脱の手間がかかりません。肩紐を首に引っ掛ける構造上、動いても肩紐がずり落ちる心配がないのも大きなポイントです。
ただし、長時間着用すると首に負担がかかりやすいのが難点です。首に肩紐をかけて使うので、長く着続けていると首や肩が凝ってしまう場合があります。
腰エプロンは下半身のみをカバーするエプロンです。上半身を覆わないので腕や肩を動かしやすく、肩紐で首や肩に負担をかけないのが魅力です。おしゃれなデザインのものも多く、飲食店のホールスタッフなど接客業にもおすすめです。
下半身だけカバーするので、当然ながら上半身の汚れは防げません。油や水撥ねなどで汚れやすいキッチンでの使用や、屋外での作業などにはあまり向いていません。
エプロンドレスとは、ワンピースのような形状をした女性用エプロンです。ドレス・ワンピースのような華やかさを持っているので、デザイン性を重視したい人におすすめです。子ども用品店などでは、ベビー・キッズサイズの商品も豊富にあります。
基本的にはデザイン重視なので、機能性に優れた商品は少なめです。ちなみに「エプロンドレス」は和製英語で、英語では「ピナフォア(pinafore)」と呼ばれています。
次に、エプロンの長さ別のメリット・デメリットを解説します。エプロンの長さは使用シーンにふさわしいものを選ぶことが重要です。家庭やお店などで実際に使いやすい長さをチェックしましょう。
主に前丈50cm以下の腰エプロンをショートエプロンと呼びます。丈が短いので足を動かしやすく、接客や陳列などで歩き回ることの多い店舗スタッフにおすすめです。ポケットにペンや注文票、ハンディターミナルなどの端末を入れられるものが人気です。
丈が短いので、汚れを防ぐ範囲が狭いのがデメリットです。水や油などで汚れる調理スタッフや、ホコリなどがつきやすい倉庫作業員には向いていません。
前丈が50〜70cm程度の腰エプロンをミドルエプロンと呼びます。ショートより長さがある分カバー範囲が広くなっていますが、ロングより足元がすっきりするタイプです。ショートと同じく接客に向いていますが、より落ち着いた印象を与えられます。
前丈70〜90cm程度の腰エプロンをロングエプロンと呼びます。ソムリエがよく着用していることからソムリエエプロンとも呼ばれています。丈が長めで男女ともに使いやすく、きちんとした見た目が魅力です。高級感を出したいお店のスタッフなどに向いています。
ショート・ミドルと比較して、少し動きづらいのがデメリットです。フロント下部にスリットが入ったタイプであれば歩きやすくなります。
エプロンは生地で選ぶのもポイントです。以下では、代表的な素材である綿・ポリエステルについてそれぞれ特徴を解説します。
綿は耐熱性があるので、火を扱う調理用エプロンにおすすめです。ポリエステルと比べて熱で溶けにくい性質を持つので、綿素材のエプロンはオーブンやコンロを扱う際に向いています。また、なめらかでやさしい肌触りの良さも魅力です。
ただし、耐久性ではポリエステルに劣ります。綿は繰り返し洗濯をすると生地が縮みやすく、シワになりやすい点がデメリットです。吸水率の高さから乾きにくい場合もあるので、手入れに少し手間がかかります。
ポリエステルは耐久性が高く、シワにもなりにくいのがメリットです。洗濯後も縮みにくく色落ちしにくいので、ポリエステル製のエプロンは長く使えます。長時間着用する飲食店のホールスタッフなどにおすすめです。
デメリットとしては火に弱い点が挙げられます。綿と比較すると熱で溶けやすいので、ポリエステル100%のエプロンは火を扱う仕事に向いていません。また、静電気を発生させやすい性質も持つので、重ね着をする冬場は特に注意が必要です。
綿とポリエステル両方の利点を求めるなら、綿・ポリエステル混用のエプロンを選びましょう。耐熱性と肌触りの良さを持つ綿と、耐久性がありシワになりにくいポリエステルの性質を併せ持つので、様々なシーンで使用できます。
続いては、エプロンが持つ機能別の選び方をご紹介します。飲食店や介護現場など業務用で使う場合、様々な機能を有したエプロンが活躍します。それぞれの機能を持つ商品ページへのリンクを設置していますので、ぜひチェックしてみてください。
衛生管理が重要なシーンでは、抗菌・制菌機能を持つエプロンを選びましょう。抗菌とは、ニオイが発生する細菌の繁殖を防ぐ機能を意味します。接客や調理を行う飲食店や、医療・福祉など幅広い分野で求められる機能です。
一方、制菌は繊維に付着した細菌の繁殖を防ぐ機能です。抗菌とは基準が異なりますが、こちらも衛生管理が求められる様々な業種で重宝されています。
水汚れ・油汚れが発生しやすい作業には、撥水・撥油機能を持つエプロンがおすすめです。撥水とは生地が水をはじく機能で、頻繁に水を扱う飲食店の調理担当者や、入浴介助を行う介護・看護士用にぴったりです。
撥水が水をはじくのに対し、撥油は油をはじきます。油は水とは別の性質を持つので、撥水機能では油は防げません。洗剤や食用油などによる油汚れが気になる人は、撥油機能を備えたエプロンを選びましょう。
静電気やホコリの発生を軽減したい人には、制電(帯電防止)機能を持つエプロンがぴったりです。制電とは静電気の発生を防ぐ機能で、生地に導電性の繊維を使い静電気をためにくくした加工です。静電気の不快感を減らせるだけでなく、ホコリも付着しにくくなります。
お手入れのしやすさで選ぶなら、形態安定・防しわ・退色防止のエプロンがおすすめです。業務用エプロンは毎日着用するので洗濯が欠かせません。洗濯後に縮んでシワになったり、色落ちしたりしない機能を持つエプロンなら、長く使えてケアしやすいでしょう。
動きやすさを重視するなら、ストレッチ性の高いエプロンを選びましょう。生地が伸び縮みするので、体の動きを邪魔せずストレスフリーに着られます。陳列や配膳など、歩く・屈むといった動きの多い仕事にぴったりです。
最後に、業種に合わせたエプロンの選び方を解説します。同じエプロンでも、仕事内容によって選ぶ商品は変わります。業種ごとに必要な機能をチェックしましょう。
飲食店で使用するなら、撥水・撥油・制菌・抗菌機能を持つエプロンがおすすめです。飲食店はお客様の口に入るものを扱うので、厳重な衛生管理が求められます。ニオイや菌を抑制する抗菌・制菌機能、水・油汚れをはじく撥水や撥油機能を持つ商品を選びましょう。
また、事業規模にもよりますが、飲食店ではHACCP(ハサップ)に基づいた衛生管理が必要です。HACCP対応のエプロンにも注目してみましょう。
飲食店向けのエプロンは他にもたくさんあります。以下の記事ではおすすめの商品をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
医療現場で使うなら、制菌・防汚・撥水・制電機能を持つエプロンを選びましょう。感染症などの予防には、制菌性や防汚性の高いものが効果的です。また、精密な医療機器を扱うなら、静電気による機器の故障を防ぐために制電性の高いエプロンを使いましょう。
医療用エプロンの選び方とおすすめ商品は、以下の記事でも紹介しています。医療現場に特化した商品を探しているなら、ぜひチェックしてください。
介護現場で働く人には、撥水・防汚・抗菌・制菌機能を持ったエプロンがおすすめです。利用者の食事や入浴介助時の汚れ・水濡れからしっかりガードします。利用者と密に接する機会が多いので、感染症対策など衛生管理も重視しましょう。
介護ユニフォームのおすすめ商品は、以下の記事でもご紹介しています。エプロンだけでなくポロシャツやスクラブも取り上げていますので、ぜひチェックしてください。
保育士が着用するなら、通気・ストレッチ・UVカット・吸汗速乾・お手入れ機能などに優れたエプロンが良いでしょう。アクティブに動き回るので、通気性・伸縮性を持つエプロンが活躍します。UVカットや吸汗速乾機能は屋外での活動におすすめです。
以下の記事で保育士向けエプロンのおすすめ商品を紹介しています。屋内外でハードに活動する保育士にぴったりの商品を取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。
トリマー用のエプロンとしておすすめの機能は、撥水・防汚・制菌・防臭・制電です。シャンプーやトリミング中に濡れたり、ペットの毛が付着したりするので、撥水性や防汚性、制電性の高い商品を選びましょう。制菌性に優れた衛生的な商品もおすすめです。
以下の記事ではトリマー向けエプロンを紹介しています。トリマーの仕事にふさわしい機能の選び方とおすすめ商品を解説していますので、ぜひチェックしてください。
今回はエプロンの種類と選び方の解説、おすすめ商品の紹介を行いました。エプロンには様々なタイプがあり、便利な機能やおしゃれなデザインなどそれぞれ異なる特徴を持っています。お店や職場など、使用シーンをイメージして選ぶことが重要です。
メリットやデメリットが分かれば自分にぴったりの商品が見つかります。ぜひ本記事を参考に、ご自身の求める機能・特徴を持つエプロンを探してみてください。