産業用ヘルメット(保護帽)とは?選び方と交換タイミングも解説

産業用ヘルメット(保護帽)とは?選び方と交換タイミングも解説

公開日: 2025年03月14日更新日: 2025年03月14日特集記事

 

産業用ヘルメット(保護帽)は、建築・運送・林業・電気工事など幅広い業界で着用が義務付けられている保護具です。厚生労働省が定める規格によって、飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用の3種類に分かれます。

 

しかし、規格による分類だけでなく色や素材、フェイスシールドの有無といった仕様でも選択肢があるため、迷ってしまうこともあるでしょう。

 

本記事では、産業用ヘルメットの定義から各規格の詳細、シーンに応じた選び方まで詳しく解説します。ヘルメット選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

 

産業用ヘルメット(保護帽)とは

 

産業用ヘルメットは業務において、頭部を衝撃や感電から守るための保護具です。厚生労働省が定める労働安全衛生規則では「保護帽」と記載しています。

 

厚生労働大臣が定める型式検定に合格したものだけが、保護帽として認められます。保護帽には次の情報を記載したラベルを貼ることがルールです。

 

  • 検定取得年月(更新年月)

  • 検定番号

  • 製造業者名

  • 製造年月

  • 区分

 

区分は、飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用7,000V以下の3種類です。区分ごとの規格は次の項目で詳しく解説します。

 

産業用ヘルメット(保護帽)の区分ごとの規格

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

産業用ヘルメットには飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用7,000V以下の3つの区分があります。それぞれの規格を解説します。

飛来・落下物用ヘルメットの規格

 

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

飛来・落下物用ヘルメットでは、衝撃吸収試験と耐貫通性試験がおこなわれます。飛来物や落下物を模したストライカーをヘルメットに落下させ、性能を測る試験です。

 

 

衝撃吸収試験

耐貫通性試験

ストライカーの素材

鋼製

鋼製

ストライカーの形

半球(半径48mm)

円すい(先端角度60度)

ストライカーの重さ

5.0kg

3.0kg

落下の高さ

1m

1m

試験方法

前処理(※)をおこなったヘルメットを人頭模型に被せてストライカーを落下させる。

人頭模型にヘルメットを被せ、直径100mmの円周内にストライカーを自由落下させる。

試験合格基準

最大衝撃荷重が4.9kN以下

円すいの先端が人頭模型に接触しない

 

(※)前処理

  • 高温:温度が48℃以上52℃以下の場所に2時間置く。

  • 低温:温度が零下12℃以上零下8℃以下に2時間置く。

  • 浸せき:温度が20℃以上30℃以下の水中に4時間置く。

引用:ミドリ安全保護帽の規格

衝撃吸収試験

 

5kgのストライカーを1mの高さから落下させたとき、ヘルメットがない状態では人頭に39kN~49kN(キロニュートン)の衝撃が加えられます。致死域は19kNです。衝撃吸収試験では、最大衝撃荷重が4.9kN以下(1/10の衝撃)になることを確認します。

 

また、幅広い現場で使えるように、試験前の処理をおこないます。高温・低温・水を扱う環境下でも、ヘルメットの性能に差が生じないことを確認するためです。

 

耐貫通性試験

日本産業標準調査会日本産業規格 JIS T 8131:2015 産業用ヘルメット

 

耐貫通性試験では、飛来物や落下物の先端が頭部に刺さらないことを確認します。帽体の硬さとハンモックとの隙間などによって、ストライカーの先端が頭部に接触しなければ合格です。

 

 

墜落時保護用ヘルメットの規格

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

墜落時保護用ヘルメットは、帽体とハンモックの間に衝撃吸収ライナーが入っているのが特徴です。帽体・ハンモック・衝撃吸収ライナーで、転倒や墜落時の衝撃を抑えます。

 

墜落時保護用ヘルメットでは、前頭部と後頭部で衝撃吸収試験と耐貫通性試験がおこなわれます。

 

 

衝撃吸収試験

耐貫通性試験

ストライカーの素材

鋼製

鋼製

ストライカーの形

半球(半径48mm)

円すい(先端角度60度)

ストライカーの重さ

5.0kg

1.8kg

落下の高さ

1m

0.6m

試験方法

前処理(※)をおこなったヘルメットを人頭模型に被せ、前頭部・後頭部にストライカーを落下させる。

帽体の前頭部・後頭部それぞれの角度にストライカーを自由落下させる。

試験合格基準

・最大衝撃荷重が4.9kN以下
・7.35kN以上の衝撃が加わった場合その継続時間は3/1000秒以下

・4.9kN以上の衝撃が加わった場合その継続時間は4.5/1000秒以下

・保護帽に著しい損傷が生じないこと

頂部リングの上端から帽体内面のくぼみ、または貫通した円すいの先端までの垂直距離が15mm以下

 

(※)前処理

  • 高温:温度が48℃以上52℃以下の場所に2時間置く。

  • 低温:温度が零下12℃以上零下8℃以下に2時間置く。

  • 浸せき:温度が20℃以上30℃以下の水中に4時間置く。

引用:ミドリ安全保護帽の規格

 

衝撃吸収試験

 

飛来・落下物用の試験と同様に、高温・低温・浸せきの前処理をおこなって試験します。ストライカーの質量や落下の高さも同様ですが、ヘルメットの前頭部と後頭部で試験するのが特徴です。

 

合格基準は最大衝撃荷重が4.9kN以下であることに加え、衝撃の大きさに応じた継続時間をクリアしていることも求められます。

 

耐貫通性試験

日本産業標準調査会日本産業規格 JIS T 8131:2015 産業用ヘルメット

 

飛来・落下物用試験とは違い、ヘルメットの帽体(外側の硬い部分)のみで試験をおこないます。

 

試験用器具の頂部リングという部分の上端から、ストライカーの落下によって帽体内面に生じたくぼみの最下降点、あるいは貫通したストライカーの先端までの垂直距離が15mm以下であれば合格です。

 

耐貫通性試験も、帽体の前頭部・後頭部の両方でおこないます。






電気用ヘルメットの規格

日本産業標準調査会日本産業規格 JIS T 8131:2015 産業用ヘルメット

 

電気用ヘルメットでは耐電圧性試験をおこないます。ヘルメットの帽体のみを、水道水で満たした水槽に入れて電圧をかける方法です。電圧を徐々に上昇させて計測します。1分間耐えられる性能電圧によって、次の3種類に分類されます。

 

性能電圧

電気用ヘルメットの種類

3,000 ボルト

交流電圧300~600ボルト以下の電路で用いるもの

12,000 ボルト

交流電圧600~3,500ボルト以下の電路で用いるもの

または

直流電圧750~3,500ボルト以下の電路で用いるもの

20,000 ボルト

電圧が3,500ボルト~7,000ボルト以下の電路で用いるもの

 



産業用ヘルメット(保護帽)の選び方

 

産業用ヘルメットの選び方を、次ののポイントに分けて解説します。

 

  1. 作業内容

  2. 素材

  3. サイズ

  4. 仕様(ひさしの有無など)

作業内容に応じた産業用ヘルメットの選び方

作業内容に応じた産業用ヘルメットの種類を表にまとめました。

 

作業内容

ヘルメットの種類

低所での掘削・解体等

飛来・落下物用

ジャッキを使用する荷の上げ下げ

飛来・落下物用

林業

飛来・落下物用

採石

飛来・落下物用

クレーン等使用時

飛来・落下物用

高さ2m以上の高所作業

墜落時保護用

最大積載量5トン以上のトラックの荷の積み卸し

墜落時保護用

最大積載量2トン以上のトラックでテールゲートリフターを使用する場合

墜落時保護用

電気工事

電気用

 

法律や規則、各種通達によって適したヘルメットは決められています。違反した場合は罰則もあるため注意が必要です。詳しくは次の記事をご覧ください。

 

ヘルメットの着用義務とは?自転車と運送業で法律・規則が改正


自転車・トラック乗車時の法律と規則を中心に、義務と努力義務との違いも含めて詳しく解説。着用義務のある作業一覧も掲載しています。

 

飛来・落下物用と墜落時保護用の衝撃吸収力の違い

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?



飛来・落下物用ヘルメットと墜落時保護用ヘルメットの衝撃吸収力の違いを、50cmの高さから鉄板の上に落下した場合で比較してみましょう。

 

条件

衝撃荷重

無帽の状態

17kN

飛来・落下物用ヘルメットを着用

11kN程度

墜落時保護用ヘルメットを着用

5kN以下

 

高所からの転倒・落下に備えるためには、墜落時保護用ヘルメットが有用であることがわかります。

 

素材の選び方

ヘルメットの素材は主に4種類です。性質が異なるため、適した作業にも違いがあります。

 

素材

性質

PC
(ポリカーボネート)

  • 熱可塑性

  • 耐電性に優れる

  • 耐燃・耐熱性、耐候性がある

  • 耐有機溶剤性はない

ABS
(アクリロニトル・ブタジエン・スチレン)

  • 熱可塑性

  • 耐電性に優れる

  • 耐燃・耐熱性、耐候性は弱い

  • 耐有機溶剤性はない

PE
(ポリエチレン)

  • 熱可塑性

  • 耐電性、耐有機溶剤性に優れる

  • 耐候性がある

  • 耐燃・耐熱性は弱い

FRP
(ポリエステル樹脂をガラス繊維で強化したもの)

  • 熱硬化性

  • 耐燃・耐熱性、耐候性に優れる

  • 耐有機溶剤性がある

  • 耐電性はない

 

上記の性質から適した作業内容・環境を以下にまとめました。

 

  • 屋外作業:PC・PE・FRP

  • 高温・低温環境:FRP

  • 有機溶剤を使用する作業:PE・FRP

  • 電気工事:PC・ABS・PE

 

作業内容に応じた規格の確認とともに、素材にも着目してみましょう。

 

サイズの選び方

 

頭囲を測ってからヘルメットを選びましょう。巻き尺(メジャー)を用意し、額(おでこ)の最も高い部分から、後頭部の最も高い部分を囲んで測ります。

 

なお、ヘルメットのサイズは次のように記載されています。

 

 

数字に幅があるのは、後頭部にあるヘッドバンドで調整できるためです。ヘルメットのメーカーごとに違いがあり、タニザワでは53~63cm、ミドリ安全では55~62cmを基準としています。

色の選び方

 

ヘルメットの色は白が定番です。白は熱を吸収しにくく、屋外作業に適しています。また、汚れや傷が目立ちやすいため、交換時期を把握しやすいのも白のメリットです。

 

一方、会社のイメージカラーに合わせる方法や、色が持つ効果・特徴で選ぶ方法もあります。色別の特徴と活用例は次のとおりです。

 

特徴

活用例

熱を吸収しにくい

夏の屋外作業

グレー

粉塵汚れなどが目立ちにくい

掘削・解体作業

清潔感・集中力を高める

清掃・管工事

目に優しい・自然のイメージ

木造建築

活動的な印象・注意喚起色

リーダー用

オレンジ

明るい印象・注意喚起色

林業

暗所でも目立つ・注意喚起色

夜間作業・警備・交通誘導

 

複数の企業が合同で作業をする大規模な建築現場などでは、会社別あるいは担当作業別でヘルメットの色を分ける場合もあります。

 

仕様の選び方

ヘルメットの基本機能以外に、便利な機能を備えた仕様のものもあります。代表的な仕様4つを紹介します。

 

仕様

詳細

活用例

フェイスシールド

粉塵や木くずが目や鼻腔に入るのを防ぐ

採石・解体・林業など

透明ひさし

目の上をガードしつつ視界を確保する

高所作業を伴う現場・林業

通気孔

ヘルメット内のムレを防ぐ

梅雨・炎天下の作業

雨垂れ防止溝

溜まった水がひさしの先から流れ出る構造

雨天時の作業・清掃業務

 

粉塵が生じる現場ではフェイスシールド、雨天の作業には雨垂れ帽子機能など、シーンに応じて仕様を選びましょう。

透明ひさしの色を選ぶ

 

透明ひさしの色によって、得意とする環境が異なります。

 

詳細

クリア

視界に影響しない。日中・夜間両用の場合に。

グレー

日差しを遮る。日中の作業に。

ブラウン

日差しを遮りつつ色のコントラストを高める。曇天に。

黄色・オレンジのライトを遮る。夜間のライト使用時に。

色のコントラストを抑える。目が疲れやすい作業に。

黄色・オレンジ

色のコントラストを高める。薄暗い天候や場所に。

 

作業する時間帯や場所に合わせて選びましょう。

 

産業用ヘルメット(保護帽)の交換タイミング

 

産業用ヘルメットには耐用年数があります。しかし、耐用年数以内でも汚損の程度によっては交換が必要です。詳しく解説します。

産業用ヘルメット(保護帽)の耐用年数

 

産業ヘルメットの耐用年数は素材によって異なります。熱可塑性樹脂製の産業ヘルメットの耐用年数は使用開始から3年です。熱可塑性樹脂にはPC・PE・ABSなどがあります。熱硬化性樹脂製(FRPなど)の場合は使用開始から5年が耐用年数です。

 

ただし、あご紐やハンモックなどの耐用年数は1年なので、パーツ交換が必要です。

 

交換が必要な産業用ヘルメット(保護帽)の状態

 

耐用年数以内でも、ヘルメットのパーツ別のチェックポイントに該当すれば交換タイミングです。

帽体

FRP製帽体 熱可塑性樹脂製帽体のチェックポイント

  • 亀裂、ひび、カケ等が認められるもの

  • 衝撃の跡が認められるもの(損傷、ひび、白化、変形など)

  • すりきずが多いもの

  • 汚れ等の付着物が著しいもの

  • 使用者が改造したもの

  • ガラス繊維が浮き出しているもの

  • 着装体取り付け穴にクラックがあるもの

  • 著しい変色が認められるもの

  • 取り付け部(ブラケット、フック等)に異常があるもの

  • 変形しているもの

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

出典:株式会社谷沢製作所保護帽交換の目安 20のチェックポイント

 

衝撃吸収ライナー

チェックポイント

  • 変形しているもの

  • 著しく汚れているもの

  • きず、割れが著しいもの

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

出典:株式会社谷沢製作所保護帽交換の目安 20のチェックポイント

 

装着体

チェックポイント

  • 使用者が改造したもの

  • ハンモックが伸びまたは著しく汚れているもの

  • 縫い目がほつれているもの

  • ヘッドバンドが損傷しているもの

  • 著しく汚れているもの

  • あごひもが損傷し、又は、著しく汚れているもの

  • ハンモックが損傷しているもの

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

出典:株式会社谷沢製作所保護帽交換の目安 20のチェックポイント



作業内容に合わせて適切なヘルメットを選ぼう

 

産業用ヘルメットには、飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用の3種類があります。厚生労働大臣が定める型式検定に合格したものだけが該当し、着用すべき種類も用途ごとに決められています。まずは、規則に応じた種類を把握しましょう。

 

そのうえで、作業内容や環境に応じた素材・色・仕様を選びます。ひさしの色だけでも快適性が変わるため、着用シーンをイメージしながら選ぶのがコツです。サイズはヘッドバンドで調整できるので、最小サイズと最大サイズが頭囲の範囲内であれば問題ありません。

 

本記事を参考に、作業内容にマッチするヘルメットを選びましょう。

 



商品一覧
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白衣・ドクターコート
防寒コート
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作業着・作業服
空調服®・ファン付き作業着
ブルゾン
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メディカルジャケット
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タキシード
トップス
Tシャツ・カットソー
スウェット・パーカー
ポロシャツ(長袖)
ポロシャツ(半袖・七分袖)
シャツ(長袖)
シャツ(半袖・七分袖)
ブラウス(長袖)
ブラウス(半袖・七分袖)
スクラブ
チュニック
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ニット・カーディガン
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検診衣・患者衣(トップス)
ボトムス
スラックス
カーゴパンツ
ワークパンツ
チノパン
メディカルパンツ
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ショート・ハーフパンツ
スウェットパンツ
ジャージパンツ
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検診衣・患者衣(ボトムス)
スカート・ワンピース
スカート
ワンピース
キュロットスカート
患者衣(ワンピース)
インナー
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コンプレッションウェア
オールインワン
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患者衣(オールインワン)
検診衣(オールインワン)
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胸当てエプロン
腰エプロン
エプロンドレス
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