ヘルメットの着用義務とは?自転車と運送業で法律・規則が改正

ヘルメットの着用義務とは?自転車と運送業で法律・規則が改正

公開日: 2025年03月14日更新日: 2025年03月14日特集記事

 

2023年(令和5年)は、法律や規則でヘルメットの着用義務の範囲が拡大した年です。自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となり、産業においても、ヘルメットの着用が義務化された作業の項目が増えました。

 

これまではヘルメットを着用してこなかったシーンも義務の対象となる場合があるため、あらためて各種法律や規則を確認しておきましょう。

 

本記事の前半では、法律・規則の改正によってヘルメット着用義務が追加された自転車と運送業の詳細を解説します。後半では産業におけるヘルメット(保護帽)の着用義務一覧を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ヘルメットの着用が義務化されているシーン

 

ヘルメットの着用が義務化されている主なシーンは次のとおりです。

 

  • 自転車乗車時(努力義務)

  • トラック乗車時

  • 高所作業

  • 掘削・砕石作業

  • 林業

  • 建設業

  • 工事

 

ヘルメットの着用が義務付けられているのは、基本的に転倒・落下・飛来物等による頭部への衝撃が想定されるシーンです。ただし、電気工事においては頭部の感電事故を防ぐために絶縁ヘルメットを使用します。

 

2023年に自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化

自転車用ヘルメット ST-V001

 

道路交通法が改正され、2023年(令和5年)4月1日から自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務になりました。改正された法律の概要と罰則の有無、ヘルメット購入の補助金について解説します。

 

道路交通法 第63条の11が改正

 

道路交通法第63条11では改正前から、児童・幼児のヘルメット着用の努力義務を示していましたが、改正によって努力義務の範囲が大人にも拡大しました。

 

【改正前】

児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項

児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

【改正後】

自転車の運転者等の遵守事項

  1. 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

  2. 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

  3. 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

引用:福岡県警察全ての自転車利用者のヘルメット着用努力義務化について

特定小型原動付自転車(電動キックボード)の区分が追加

 

2023年7月1日の道路交通法改正により、原動付自転車の中で次の条件に合致するものは、特定小型原動機自転車という区分になりました。

 

  • 最高速度が20km/h以下

  • 定格出力が0.6KW以下

  • 長さが1.9m以下

  • 幅が0.6m以下

 

これ以外の原動付自転車は一般原動付自転車と呼びます。特定小型原動付自転車の代表例は電動キックボードです。

 

改正前まで電動キックボードも他の原動付自転車、いわゆる「原付」と同様にヘルメットの着用と車道の走行が必須でした。改正後はヘルメット着用が努力義務となり、歩道の走行も可能になりました。ただし、歩道走行の場合は時速制限が6km/hです。

努力義務で罰則はない

 

道路交通法 第63条の11では「努めなければならない」と記載しています。つまり、義務ではなく努力義務です。

 

努力義務に法的な拘束力や罰則の規定はないため、自転車乗車時にヘルメットを着用していなくても逮捕や罰金はありません。

 

ただし、違反しても問題ないということではありません。法律に記載されたことで努力することが前提となるため、ヘルメット未着用の場合に、損害賠償請求や自転車保険で不利になることが考えられます。

ヘルメット購入の補助金制度

 

自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務になったことに伴い、全国の市区町村でヘルメット購入の補助金制度が設けられています。助成金額は2,000円で、安全基準を満たしたヘルメット(※)の購入が対象です。

 

市区町村によっては購入先(販売店)が指定されていますが、購入先を問わずオンライン申請が可能な場合もあります。申請期間などを含めて、市区町村の公式ホームページを確認してみましょう。

 

(※)「SG(製品安全協会)」や「JCF(日本自転車競技連盟)」の基準を満たしたもの。

 

【運送業】トラックのヘルメット着用義務が一部改正

超軽量ヘルメット FRP製 エアライトS ST-103B-JPZ

 

トラックの荷役作業にかかわる労働安全衛生規則が一部改正され、ヘルメットの着用義務の範囲が拡大しました。

テールゲートリフター使用時の保護帽着用義務が追加

これまでの労働安全衛生規則でも、最大積載量5トン以上のトラックではヘルメットの着用が義務付けられていました。2023年にその一部が改正され、ヘルメット着用義務の対象となる条件が拡大しました。追加された条件は次のとおりです。

 

労働安全衛生規則で追加された事項

①最大積載量が2トン以上5トン未満の貨物自動車であって、荷台の側面が構造上開放されているもの又は構造上開閉できるもの(平ボディ車、ウイング車等)。


②最大積載量が2トン以上5トン未満の貨物自動車であって、テールゲートリフターが設置されているもの(テールゲートリフターを使用せずに荷を積み卸す作業を行う等の場合は適用されません)。

引用:厚生労働省トラックでの荷役作業時における 安全対策が強化されます。

 

トラック運送業の労災において、荷台への昇降時の転落が40%と最も多いことが、規則改正の背景にあります。

 

平ボディ・ウイング等が開くトラック、あるいはテールゲートリフターを使用する場合は、2トン以上5トン未満のトラックもヘルメット着用の対象となるため注意が必要です。

違反者には罰則あり

 

自転車のヘルメット着用とは違い、努力義務ではなく義務であるため違反時は罰則があります。事業者と労働者双方の義務で、罰則規定は次のとおりです。

 

労働安全衛生法 第20条の措置義務違反、罰則 第119条

事業者の講ずべき措置等に関する違反ほか

6月以下の懲役又は50万円以下の罰金

 

ただし、業務上過失致死の場合は刑法が適用され、5年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金に処されます。

 

労働安全衛生法に違反した場合の管轄は労働基準監督署、業務上過失致死の場合の管轄は警察署です。

ヘルメットの着用義務にかかわる法律・規則

 

産業におけるヘルメットの着用義務は次のような法律や規則で定められています。

 

  • 道路交通法

  • 労働安全衛生規則

  • クレーン等安全規則

  • 各種通達

 

道路交通法は道路の安全と円滑な利用を図ることを目的とした法律です。国家公安委員会(警察庁)が所管しています。

 

労働安全衛生規則は労働者の安全と健康を確保することを目的とした規則(省令)です。厚生労働省が策定し、都道府県労働基準局長が管轄しています。

 

クレーン等安全規則は労働安全衛生法に基づいて定められたものです。移動式クレーン・建設用リフト・簡易リフト・つり上げ荷重・デリック・エレベーター使用時の安全規則を定めています。

 

厚生労働省をはじめとする各省庁からの通達でも、ヘルメット着用義務を定めています。通達の具体例には「高所作業車に係る労働災害の防止について」や「荷役運搬機械の安全対策について」などがあります。

 

産業用ヘルメット(保護帽)の着用義務一覧

ヘルメット PC製 エアライトS ST-1230-JZV

 

厚生労働省では産業用ヘルメットを保護帽と記載しています。厚生労働大臣が定める型式検定に合格した保護帽には、検定取得を示すラベルが貼られており、用途に応じて次の3種類に区分されます。

 

  • 飛来・落下物用

  • 墜落時保護用

  • 電気用

 

3つの区分ごとに各種規則・通達で着用義務のある作業が指定されています。詳しく見ていきましょう。

飛来・落下物用保護帽の着用義務

 

飛来・落下物用保護帽は低所での作業で着用するものです。労働安全衛生規則・クレーン等安全規則・各種通達で着用義務が定められています。

労働安全衛生規則

 

労働安全衛生規則では、次のような作業で産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

151 条の107

車両系木材伐出機械を用いる作業

151 条の174

簡易林業架線作業

151 条の150

林業架線作業

194条の7

ジャッキ式つり上げ機械による荷の上げ下げの作業

247 条

型枠支保工の組立等作業

360 条

地山の掘削作業

366 条

明り掘削作業

375 条

土止め支保工作業

383 条の3

ずい道等の掘削等作業

383 条の5

ずい道等の覆工作業

404 条

採石のための掘削作業

412 条

採石作業

451 条

船内荷役作業

464 条

港湾荷役作業

484 条

造林等の作業

517 条の5

鉄骨構造物の組立・解体・変更の作業

517 条の10

鋼橋の架設・解体・変更の作業

517 条の13

木造建築物の組立等作業

517 条の19

コンクリート構造物の解体・破壊の作業

566条

足場の組立等作業

517 条の24

橋梁の上部構造であってコンクリート造の物の架設・変更の作業

538 条

物体が飛来することにより労働者に危険を及ぼすおそれのある作業

539 条

船台・高層建築物等の、その上方で他の作業員が作業している場所における作業

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

クレーン等安全規則

 

クレーン等安全規則では、次のような作業で産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

33 条

クレーンの組立・解体等作業

118 条

デリックの組立・解体等作業

153条

屋外設置エレベーターの組立・解体作業

191条

建設用リフトの組立・解体作業

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

通達による規則

 

各種通達によって、次のような作業における産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

S50.4.10 基発第218 号「荷役運搬機械の安全対策について」

フォークリフト、ショベルローダ、移動式クレーン、ダンプトラックその他の荷役運搬機械取扱作業

H5.3.2 基発第123号「清掃事業における総合的労働災害防止対策の推進について」

ゴミの積替え作業、ゴミ焼却場におけるゴミのかくはん等の炉前作業等

H5.5.27 基発第337号の2「建設業における総合的労働災害防止対策の推進について」

木造家屋、軽量鉄骨造家屋建築工事

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 



墜落時保護用保護帽の着用義務

 

墜落時保護用の産業ヘルメットは、高所作業や転倒のリスクが高い作業で着用が義務付けられている保護帽です。飛来・落下物用とは異なり、ヘルメットの外側(帽体)と頭に触れるハンモックの間に、衝撃吸収ライナーが入っています。

 

労働安全衛生規則と通達による規定で着用義務が定められています。

労働安全衛生規則

 

労働安全衛生規則では、次のような作業で産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

151 条の52

最大積載量5トン以上の不整地運搬車への荷の積み卸し作業

151 条の74

・最大積載量5トン以上の貨物自動車への荷の積み卸し作業

※この条項にテールゲートリフター設置時等の義務が追加

435 条

(床面からの高さが2メートル以上の)はいの上における作業

517 条の13

木造建築物の組立等作業

518 条

高さ2メートル以上で労働者に墜落による危険を及ぼすおそれのある場所での作業
(解釈例規⇒「安全帯(要求性能墜落制止用器具)等」には保護帽の着用を含む)

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

通達による規則

 

各種通達によって、次のような作業における産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

S53.4.10 基発第208 号の2「高所作業車の使用に係る労働災害の防止について」

高所作業車による作業

H5.5.27 基発第337号の2「建設業における総合的労働災害防止対策の推進について」

木造家屋、軽量鉄骨造家屋建築工事

H8.11.11 基発第660号の2「木造家屋等低層住宅建築工事における労働災害防止対策の推進について」

木造家屋建築工事業における高所作業

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

 

電気用保護帽の着用義務

 

電気用保護帽の着用義務を定めている規則は労働安全衛生規則です。高圧活線、低圧活線で電気用保護帽の着用義務の条件が異なります。

労働安全衛生規則

 

労働安全衛生規則では、次のような作業で産業用ヘルメット(保護帽)の着用を義務付けています。

 

条項

該当作業

341 条

高圧活線作業
⇒交流:600ボルトを超え7,000ボルト以下
⇒直流:750ボルトを超え7,000ボルト以下 ※

346 条

低圧活線作業
⇒交流:600V以下
⇒直流:750V以下 ※

※参考 【特別高圧】 ⇒交流・直流ともに 7,000 ボルトを超えるもの

 

引用:厚生労働省その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?

 

法律・規則を守ってヘルメットを着用しよう

 

自転車乗車時のヘルメット着用は努力義務であり、罰則はありません。しかし、努力することが法律で明示された以上、万が一事故を起こしたときの損害賠償請求や補償が不利になる可能性があります。

 

また、運送業や建設業などの産業においても、ヘルメットの着用義務があります。産業の場合は努力義務ではなく義務であるため、違反すると罰則の対象です。ヘルメットが必要な作業と適切なヘルメットの種類を把握し、着用を徹底しましょう。

 

ヘルメットの選び方に迷ったときは、次の記事をぜひ参考にしてください。

 

産業用ヘルメット(保護帽)とは?選び方と交換タイミングも解説


飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用の規格の詳細とともに、ヘルメットの色・サイズ・素材・仕様の選び方も解説します。


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