畑や庭での作業を快適にするために、作業着は欠かせないアイテムです。しかし、作業着にはさまざまな種類や機能があり、何を重視して選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、農業やガーデニングに適した作業着や便利アイテムの選び方、さらに作業をより効率化するおすすめの機能や特徴を詳しく解説します。今使っている作業着や小物類に不便さを感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、農業やガーデニング用に作業着を選ぶ際のポイントについて3点紹介します。身体を効率的に保護できるもの、長時間作業しても快適に過ごせるものを選ぶことが重要です。
農業では虫や紫外線、植物の汁などから肌を守ることが重要です。腕や足などの露出が少ないユニフォームを選びましょう。基本は長袖、長ズボンです。ただし、屈んだ際に腰や背中が露出するような、着丈や股上が短い作業着は避けるのが賢明といえます。
見落としがちなのは首回りと手首です。ゆとりのあるサイズを選ぶと襟元や袖口が開きがちなので、虫の侵入や日焼けのリスクがあります。タオルやマスクを使って顔周りを保護したり、グローブを着用して手を守るなどの工夫も大切です。
季節に合わせた素材や機能も重視しましょう。季節によって作業着を変えれば、快適性が向上します。
夏は高通気、接触冷感素材などの作業着がおすすめです。長袖でも涼しさを感じやすくなります。どうしても長袖を着用することが難しい気温のときは、半袖の作業着にアームカバーを取り入れるなど、肌を守る工夫をしましょう。アームカバーは本記事後半で紹介します。
冬は防風・防寒仕様の作業着がおすすめです。風や寒さで体温が低下すると、業務効率にも影響します。蓄熱性の高いアルミ素材を使用したものや、中綿入りのものなどを選びましょう。
なお、趣味の農業などで作業頻度が高くない場合は、通年タイプでも構いません。その場合はインナーで調節することをおすすめします。
その日の天気や作業内容に応じて作業着を選ぶことも重要です。例えば、晴天時には通気性や紫外線対策を重視した作業着を選ぶことで、快適に作業を行うことができます。
雨天時や水やり作業などでは、撥水性や防水性のある作業着を選ぶことで、体が濡れることを防ぎ、作業をスムーズに進められるでしょう。
また、水濡れが気になるときだけレインウェアやエプロンを使用するのも一つの方法です。水対策のアイテムを準備しておくことで、わざわざ着替えることなく、天候の変化や作業内容に合わせて柔軟に対応できます。
ここでは、農業・ガーデニング用の作業着について、種類別に詳しく紹介します。
ジャケットやジャンパーは、天候や気温の変化に応じて楽に着脱でき、体温調節をスムーズに行える点がメリットです。1枚持っているだけで、朝晩の寒暖差や季節の変わり目にも活躍します。
つなぎは上下が一体になっているため、腰部分に隙間がなく、泥・水・虫の侵入を防ぎやすいのが大きなメリットです。ベルトなども必要ないため、農機具等への巻き込みリスクも低減できます。
デメリットは脱着しにくいこと、トイレ時に困りやすいことです。しかし、近年はつなぎのトイレ問題を解決する、ヒップオープン機能付きの商品もあります。
ポロシャツは汗をかいてもよく吸水し、すぐに乾きやすいため、暑い季節でもべたつきにくく快適に着用できるアイテムです。自宅で気軽に洗濯でき、しわになりにくいため、お手入れがしやすいのも魅力です。
夏は一枚で、冬は作業服の下にインナーとして着用することができ、1年を通して幅広い着こなしが可能です。
空調服・ファン付き作業着は、夏の炎天下での長時間作業におすすめです。外気を風として取り込み、汗を蒸発させる気化熱の作用によって、体温の上昇を防ぎます。
バッテリーで稼働するため、コンセントのない畑や庭でも快適に使用でき、熱中症対策にも効果的です。水をよく取り扱う農業・ガーデニングに便利な防水タイプもあります。
農作業用のパンツは基本的に長ズボンがおすすめです。足は地面に近く、泥や水ハネによる汚れが付きやすいため、撥水機能や防汚機能が付いたものを選ぶと安心です。また、作業中に暑くなっても通気性の良い素材なら蒸れにくく、快適に動けます。
枝や硬い植物が足に当たることも多い農作業では、耐久性に優れた素材のパンツが重宝します。道具を持ち歩く機会が多い場合は、ポケットがたくさん付いたカーゴパンツを選ぶのもおすすめです。
レインウェアを着用すれば雨の日でも快適に作業でき、体温低下や風邪のリスクを防げます。また、水しぶきや泥ハネが気になる作業でも、水濡れによる体温低下を防げるためおすすめです。
とくにおすすめのレインウェアの機能は、水滴を弾く撥水機能や、水の侵入を防ぎながら内部の湿気を逃がして蒸れにくくする透湿防水機能です。
ここでは、農業やガーデニングの作業着に使われる生地について、綿・ポリエステル・ナイロンの3つを詳しく解説します。
綿素材は吸水性と吸汗性に優れ、汗をすばやく吸収するため快適に着用できます。通気性が良く夏は涼しく、保温性にも優れているため寒い季節には暖かさを保てるのが特徴です。肌ざわりが良いため、インナーとしてもおすすめです。
ただし、綿100%の場合、ウェアが重くなりがちな点には注意が必要です。また、吸水性が高い反面、乾きにくいという欠点もあり、雨に濡れた後や洗濯後の乾燥に時間がかかることがあります。
ポリエステルは軽量なため、着用していて疲れにくく、携帯性にも優れているのが特徴です。洗濯耐久性が高い生地が多く、しわになりにくく乾きやすいのもメリットです。
また、耐紫外線性が高く色褪せしにくいことや、耐薬品性にも優れているため、長時間の屋外作業や農薬散布の作業などにも適しています。
ただし、ポリエステル100%は帯電しやすく、静電気でゴミや汚れがつきやすい点に注意が必要です。
ポリエステルと綿の混紡タイプは、綿の吸水性とポリエステルの速乾性が組み合わることで、両素材のデメリットを補い合った素材です。そのため、作業着にも多く使用されています。
ナイロンは、軽量でありながら高強度の生地が多く、特に摩擦や摩耗に強いのが特徴です。撥水仕様のものも多く、雨や水の影響を受けずに作業できるのがメリットです。
撥水・高強度で知られるナイロン生地には「コーデュラ®」などがあります。アウトドア用品やワークウェアでも人気の素材であり、ハードな屋外作業が多い農作業にもぴったりです。
天候や用途に合わせてアウターとして選ぶのにおすすめの素材です。
ここでは、農業・ガーデニングの作業着におすすめの性能・機能について、4つピックアップして解説します。
農業用の作業服は、作業中に汚れがつきやすく、作物の運搬や収穫時などで摩耗しやすいため、特に耐久性が求められます。
破れにくい素材や耐摩耗性に優れた作業服を選ぶことで、擦り傷などの怪我から身を守れるだけでなく、作業服自体の寿命も延ばせます。長期間にわたって着用できるため、経済的にもメリットがあります。
屈んだり足を広げて力を込めたりと大きな動きが多い農作業において、動きやすさに直結するストレッチ性は重要な要素です。
伸縮性がない作業着だと、手足の動きが制限されてしまいます。作業効率が低下するだけでなく、疲れやすくなり、思わぬ怪我や事故につながるリスクも高まります。
安全かつ快適に作業を行うためには、ストレッチ性に優れた作業着を選びましょう。
水やり、収穫物の洗浄、雨天時の作業など、農業は水や泥で濡れることが多い仕事なので、撥水・防汚・透湿防水機能が付いている作業着が便利です。それぞれの機能の違いは以下の通りです。
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日焼けはシミや肌荒れだけでなく、疲労にもつながります。紫外線は真夏だけでなく一年中降り注いでいるため、季節を問わず対策が必要です。
単に長袖を着るだけでなく、UVカット機能を備えた素材の作業着を選ぶことで、より効果的に紫外線から身を守ることができます。
ここでは、農業やガーデニングに役立つ小物やアイテムを紹介します。便利なアイテムを取り入れることで、長時間の作業を快適に過ごせるだけでなく、作業効率も向上します。
収穫した野菜を洗うなど、レインウェアや防水アウターを着るほどでもない一時的な水仕事には、撥水エプロンが便利です。必要なときだけ手軽に着用でき、小さく畳んで携帯しやすいのが魅力です。
腰の位置で作業をする場合は胸当て付き、足元だけの水しぶきを防ぎたい場合は腰エプロンが適しています。
農作業には手袋も重要なアイテムです。手の汚れを防ぐだけでなく、爪の間に土がはさまるのを防ぎ、思わぬケガや植物の汁による手荒れから守ってくれます。土汚れからしっかり手を守り、水に濡れても問題ないゴム手袋や防水手袋がおすすめです。
軍手はリーズナブルで便利ですが、目が粗いため細かい土や砂が入りやすく、完全防備ができるとは言えません。衛生的かつ効率的に作業ができる手袋を選びましょう。
農業用の長靴は、雨天時や雨がやんだ後のぬかるんだ土を踏む際に欠かせないアイテムです。厚手の素材で作られているため、鋭利な石や農機具、虫から足を保護する役割も果たします。
底に滑り止めが施されているものなら、ぬかるみや湿った環境でも安全に歩け、転倒や怪我のリスクを減らせます。また、通気性やクッション性に優れた長靴なら、長時間の作業でも快適に過ごせて便利です。
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長時間屋外で作業する農業では、帽子は欠かせないアイテムです。日中は顔や首元を日差しから守り、日焼けや紫外線による肌トラブルを防ぎます。また、夏は特に頭を守り、適度な日陰を作ることで体温の上昇を抑え、熱中症予防にも役立ちます。
日焼け防止や紫外線対策にはつば広帽子、通気性や動きやすさを重視するならキャップタイプやメッシュ帽子がおすすめです。
作業着は基本的に長袖がおすすめですが、半袖の方が涼しくて快適な場合や、短時間の作業で済む場合には、半袖にアームカバーを組み合わせて肌を保護するのが良いでしょう。通気性に優れたものや、UVカット機能がついているものなら、さらに効果的です。
秋冬の防寒対策には、ネックウォーマーがおすすめです。作業着やアウターの襟元から入る冷気をしっかりブロックできます。
マフラーは動いているうちにほどけて煩わしく感じることがありますが、ネックウォーマーなら作業の邪魔にならず、すっきりとしたシルエットを保ちながら防寒性を高めることができます。
口元を覆うマスク付きや、頭や耳までカバーできるフード付きのものもありますので、寒さや環境に合わせて選びましょう。
農業やガーデニングは長時間にわたる屋外作業が多く、暑さや寒さ、雨などの天候に左右されることもあります。天気が悪いからといって簡単に休むわけにもいかず、非常にハードな環境での作業が求められる仕事です。
そのため、少しでも安全かつ快適に過ごせる作業着やアイテムを選ぶことは非常に重要です。快適さを追求することで、体への負担を軽減し、作業効率を大幅に向上させることができるでしょう。
この記事を参考に、作業環境をより快適にするための作業着・アイテムを選んでみてください。