雨天時でも屋外作業をしなければならない土木工事や道路工事の作業員にとって、防水性能の高い作業着は必須アイテムです。しかし、一口に防水性といっても耐水圧や透湿防水など様々な基準があり、何を基準に選べばよいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、おすすめの防水作業着8選をご紹介します。さらに、耐水圧・透湿防水の言葉の意味や、防水と撥水との違いについても解説します。雨の日の作業用としてジャケットやパンツを探している人は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
まずは、作業着の防水性を表す「耐水圧」と「透湿防水」の意味を解説します。それぞれの特徴を把握し、実際の作業において必要な性能を持つ作業着を使いましょう。
「耐水圧」とは、生地に染み込もうとする水の力を抑える性能です。耐水圧1,000mmであれば、生地の上に1cm四方の筒を立てて水を入れ、1,000mmの高さの水まで耐えられることを示しています。雨の降り方と必要な耐水圧の大まかな基準は以下の通りです。
300m:小雨
2,000mm:やや強い雨
10,000mm:大雨
20,000mm:嵐
また、天候が雪の場合は耐水圧10,000mm以上の作業着が推奨されています。山上で使う場合は、耐水圧20,000mm以上のものが良いでしょう。山は天気が変わりやすく、激しい雨や風を伴う悪天候になることもあるので、耐水圧の高い作業着が必要です。
「透湿防水」とは外から入ってくる水を防ぎつつ、生地の内側の水分を外へ逃がす性能です。作業着の中が蒸れにくくなるので、汗をかいても快適に着られます。透湿性は生地1平方メートルあたりの、24時間で排出される水分の量(g)によって表されます。
大人の1日の発汗量は、安静な状態で約1,200gですが、軽い運動を行えば約12,000g、激しい運動や仕事をすると約24,000gにもなります。夏場に屋外などで作業をしなければならない場合は、透湿性の高い素材の作業着を選びましょう。
防水は素材の性質によって「水を通さない」ようにする加工です。水を防ぐ力が強く効果が長続きしますが、通気性が悪く蒸れやすいというデメリットを持っています。前述の透湿防水は、このデメリットを解消するために蒸れにくくしたものです。
撥水は「水をはじく」加工です。撥水加工の作業着は、生地が水をはじくようにシリコンやフッ素でコーティングされたものです。通気性があり蒸れにくいのが利点ですが、強い雨だとはじききれずに浸水する可能性があります。
ここからはおすすめの防水作業着をご紹介します。まずは、耐水圧1,000mmの防水性を備えた商品を2点ピックアップします。
カラフルな7色展開が魅力の防水ブルゾンです。シンプルなデザインで屋外での作業着としてはもちろん、アウトドアやタウンユースにもぴったりです。背裏にはメッシュ生地が使われているので、汗をかいても中が蒸れにくくなっています。
パイピング部分に反射材が使われているので、夜間や雨天時でも高視認で作業しやすいのも魅力です。また、袖口は面ファスナー仕様なので、着脱しやすくフィット感も調節できます。リサイクル繊維を使っているので、環境にも優しいブルゾンです。
カジュアルなデザインのハーフコート型防水ブルゾンです。丈が少し長いので、スーツやジャケットの上からでも着用できます。顧客対応などでスーツを使いつつも、屋外での作業も必要な人におすすめです。
背中にベンチレーションがついているので、服の中が蒸れにくく快適です。また、生地にはコーティングなしで高い透湿防水性を持つコンデニア素材が使われています。コーティングされていないので、通気性が良いのが魅力です。
続いては、耐水圧5,000mmの防水作業着とパンツをご紹介します。強めの雨にも耐えうる防水性を持つので、雨天時でも屋外作業が必要な人におすすめです。
防水・防寒・透湿を兼ね備えた、TS DESIGNのジャケットです。生地には透湿性と保温性を両立する高機能素材が使われています。暖かいうえに汗で服の中が蒸れにくいので、寒い冬場の屋外作業でも快適に着られます。
軽量素材が使われているので、長時間着用しても疲れにくいのも魅力です。フィット感を調節できるアジャスター付きフードや、道具の携帯に便利な内ポケットなど実用性も充実しています。防水と防寒を備え、機能的なジャケットを探している人におすすめです。
強度と防水性に優れた、メンズ用防水防寒パンツです。生地には高い強度と防水性を併せ持つリップストップ素材が使われているので、屋外でのハードワークに向いています。防風性能も高いので、冬の冷たい風で体が冷えるのを防いでくれます。
シンプルでスタイリッシュなデザイン性も魅力です。上衣に合わせやすいネイビーとチャコールグレーの2色が展開されています。ウエストゴム仕様で着脱もしやすく使い勝手のいい作業用パンツです。
次に、耐水圧10,000mmの防水作業着を2点ピックアップします。かなり強い大雨にも耐えられるので、悪天候下でも作業をしなければならない人に向いた商品です。
軽量で温かい、自重堂の防水・防寒ブルゾンです。中綿には掛け布団などにも使われる、薄さ・軽さ・暖かさを持つシンサレートウルトラが使用されています。長時間着ていても疲れにくく暖かい、真冬の現場作業にふさわしい商品です。
生地には耐久撥水加工が施されているので、強い雨でもはじきます。さらに、冬場に発生しがちな静電気を抑える制電性の高さも魅力です。リサイクル素材が使われているので、環境負荷を軽減したい企業にもおすすめです。
素材と構造の両面から防水性を高めた、ジーベックの男女兼用ブルゾンです。高い透湿防水性の生地に加え、止水ファスナー・二重前立てによる構造的な雨の侵入対策も施されています。フードはヘルメットの上からかぶれる、カバー範囲の広い商品です。
保温性に優れたマイクロ中綿が使われているので、寒い冬でも快適に着られます。暖かさに加え高い透湿性を備えているので、汗で蒸れにくいのも魅力です。ファスナー付きポケットや両胸の反射材など、細かい部分にも配慮された商品です。
最後に耐水圧20,000mm以上の防水作業着をご紹介します。嵐の中や山上など、激しい雨にも耐えられる作業着です。耐水圧に加え視認性の良い商品もありますので、チェックしてみてください。
耐水圧・透湿性能に優れ、着心地も良いアイトスのジャケットです。モイスチャーバッファリング機能により作業服内の結露を防ぐので、蒸れにくく快適に着られます。過酷な悪天候下で使用する作業着として、高性能で着心地の良いものを求める人におすすめです。
反射材はISO20471適合のマイクロプリズム反射材です。悪天候下でも輝度が落ちにくいので、暗く視界の悪い作業現場でも安心して着られます。さらに、シワになりにくく汚れも落ちやすいので、自宅でケアしやすい商品です。
ほかにもアイトスの防水ジャケットには、感染防止機能を持つ医療隊員向け、リフレクターがついていないタイプ、高視認の注意色タイプなどがあります。以下のリンクから、ぜひチェックしてみてください。
高い防風・透湿・耐水圧が魅力的な、TS DESIGNのジャケットです。同社独自開発の「TS TEX」素材は、高レベルな透湿性と耐水圧を有しながら、冷たい外気をシャットアウトします。内側にこもった熱は外に逃がすので、着心地は常に快適です。
生地は軽量で柔軟性があるので、長時間着ていても疲れにくいジャケットです。両脇のポケットは雨が入りにくい構造なので、雨天時でも使いやすくなっています。ファスナー付きで貴重品も入れやすいので、道具の持ち運びが多い現場にもおすすめです。
撥水加工の場合、表面の摩擦によってコーティングが剥がれることがあります。平均寿命は5年ですが、毎日のように着用する場合は撥水性能の寿命が1年に満たないこともあります。洗濯時はネットに入れて摩擦を軽減するなど、寿命を延ばす工夫が必要です。
なお、ドライヤーなどで温風を当て、熱によって撥水機能を復活させる方法もありますが、タンブラー乾燥NGのウェアでは避けましょう。熱によって変形・変色する可能性があるからです。ウェア用の撥水スプレーなどを使用することをおすすめします。
防水加工は摩擦に強いものの、加水分解に弱いことがあるため注意が必要です。防水加工の成分が空気中の酸素や水分で分解されることで、剥離したりベタつきになったりします。
防水加工の平均寿命は2~5年ですが、湿度の高いところで保管すると1年未満になることもあるため注意しましょう。風通しがよく、直射日光が当たらない場所での保管をおすすめします。
今回は、おすすめの防水作業着と耐水圧・透湿防水の意味、防水と撥水の違いについて解説しました。作業着によって耐水圧・透湿性の程度が異なるので、作業環境に適した商品を選びましょう。また、防水と撥水それぞれのメリット・デメリットを知ることも重要です。
屋外での作業が必要な作業員の方やユニフォーム発注の担当者の方などは、ぜひ本記事の情報を参考にしてみてください。