空調服(※)のファン汚れを放置していると送風効率が下がるため、涼しさが減少する可能性があります。涼しさをキープするためには定期的な掃除が大切です。しかし、ファンは複雑な構造をしているため、掃除の仕方がわからない人もいるでしょう。
そこでこの記事では、ファンの掃除の仕方を取り外し方を含めて詳しく解説します。水洗い対応の有無別の掃除の仕方、必要なものを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。後半では注意点やウェア・バッテリーのお手入れのヒントも掲載しています。
(※)空調服®は株式会社空調服の登録商標。一般的な名称はファン付き作業着。本記事では便宜上、ファン付き作業着の意味で「空調服」と記載しています。
ファンの取り外し方には、リングをぎゅっと掴んでツメを外すタイプと回して外すタイプがあります。たとえば、空調服®のファンFA24112は、リングの抜き差し用押さえ部(滑り止めがある部分)をぎゅっと押し込むように掴むとツメが外れるタイプです。
商品によって異なるため、購入時の取扱説明書を確認しましょう。紛失していた場合は「〇〇〇(型番) 取扱説明書」で検索すると、取り扱い説明書PDFなどのダウンロードページにアクセスできます。
なお、すべてのファンの外し方に共通するステップは次のとおりです。
バッテリーの電源が入っていないことを確認
各種ケーブルのプラグを抜く
ファンのリングを外す
ファンをウェアから取り外す
取り外し中にファンが回ってケガをするリスクを防ぐために、必ずバッテリーとの接続を外してからおこないましょう。
水洗い可能なファンと不可のファンがあります。製品仕様で「水洗い対応」と記載がないものは、水洗いすると故障する可能性があるため注意しましょう。
水洗い不可のファンを掃除するときには、次のものを用意しておきましょう。
布
綿棒
薄めた中性洗剤(水で薄めた食器用洗剤など)
ファン専用のパーツクリーナーも販売されています。頑固な汚れには効果的です。掃除手順は次のとおりです。
リングをはずす
かたく水を絞った布で表面の汚れをふき取る
ファン内部は綿棒でふき取る
頑固な汚れは水で薄めた中性洗剤を綿棒に染み込ませ、軽くこするのがおすすめです。掃除をした後はしっかり乾かしましょう。
なお、内部まで掃除するために分解するのはNGです。故障の原因となるほか、保証対象外となります。どうしても掃除したい場合は、精密機器用のエアダスターやブロワーで埃をはらう程度にしましょう。
バートルのエアークラフトACファンユニットAC08、空調服®のFA24112などは水洗い対応のファンです。洗う手順は次のとおりです。
【ACファンユニットAC08の場合】
リングを取り外す
裏側の水栓キャップを外す
水栓キャップをプラグの差し込み口にはめる
流水で水洗い
できるだけ水をふき取る
しっかり乾かす
【FA24112の場合】
プラグコードについている水栓キャップをプラグにはめる
リングを外す
上蓋を外す
溜めた水の中で振り洗いする(プラグを浸けないよう注意)
できるだけ水をふき取る
しっかり乾かす
空調服のファン掃除で気を付けておきたい3つのポイントを解説します。汚れが落ちにくくなったり故障の原因になったりするため、注意が必要です。
ファンに付着した埃・粉塵・水分汚れなどを放置すると、頑固な汚れに変化して落としにくくなります。汚れが蓄積すれば送風効率が低下するため、定期的な掃除が大切です。
とくに、粉塵などのファンが吸い込みやすい汚れが発生する作業をしたときは、必ず掃除することをおすすめします。内部まで汚れが入り込んでいる可能性が高いからです。
なお、細かな部分まで掃除できない日でも、かたく絞った布で表面の汚れをふき取る程度のケアはしておきましょう。
ウェアやファンに水分が残っている状態で稼働させると、通電による故障・サビの発生リスクがあります。乾ききっていないウェアをファンによる送風で乾かすなどはNGです。
なお、ファンの取り付け方など空調服の使い方を詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。
早く乾かしたいと思っても、ドライヤーやタンブラー乾燥などの熱風で乾かすのはNGです。熱によってファンが変形・破損する恐れがあります。また、直射日光に当てて乾かすのもおすすめできません。
風通しのよい日陰に置いて乾かしましょう。扇風機などで常温の風を送るのは問題ありません。
空調服のファンを掃除するときは、ウェアやバッテリーも合わせてメンテナンスするのがおすすめです。次のステップで行うと時間を効率的に使えます。
ファン・バッテリー・各種ケーブルを取り外す
ウェアを洗濯する
ファンを掃除する
バッテリーは汚れを払って充電
各種デバイスをウェアから取り外す必要があるため、同じ日にケアしておけば後日の二度手間を防げます。また、ウェアを洗濯機にかけている間にファンを掃除しておけば、ウェアとともに乾かせるため効率的です。
ファンを掃除するときにケアしておきたい、ウェアとバッテリーのお手入れ方法もあわせて紹介します。
空調服・ファン付き作業着は頑固な汚れを手洗いしてから、洗濯機で洗うのがおすすめです。ただし、ウェアによっては手洗いのみ可・クリーニングのみ可などもあるため、洗濯表示を確認したうえでお手入れしましょう。
ウェアの洗濯方法は、次の記事で詳しく解説しています。洗濯表示の例や汚れ別の落とし方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
バッテリーは水分厳禁なので、乾いた布やブラシで埃を払う程度にしましょう。とくに、接続部分に粉塵があると接触不良の原因となるため、充電前に払っておくのがおすすめです。
なお、バッテリーには寿命があります。正しい使い方で夏場に使用する程度なら2~3年はもちますが、寿命を縮めるNG行動もあるため注意が必要です。詳しくは次の記事をご覧ください。
ファンの汚れを放置すると送風効率が下がり、送風量も低下するため涼しさを感じにくくなる可能性があります。定期的に掃除をするよう心掛けましょう。
ただし、掃除の仕方はファンによって異なるため、取扱説明書を確認することが大切です。紛失している場合は型番で検索することをおすすめします。
なお、掃除をしても送風量が元に戻らなかったり、稼働させたときに異音がしたりしたときは、ファンやバッテリーが寿命を迎えている可能性があります。このような場合は、稼働させ続けることで事故につながるリスクがあるため、買い換えを検討しましょう。