白衣(ドクターコート)は薬品や汚染から身を守るだけでなく、医師や研究者の清潔感・信頼感を示すためにも大切なユニフォームです。しかし、数多くの商品があるため何を選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、白衣の選び方をサイズ・職種別の形状と機能に分けて詳しく解説します。後半ではお手入れの手間や「グリーン購入法判断基準対応」等の基準、刺繍やプリントなどのカスタムにも注目するので、ぜひ参考にしてください。
まずは、白衣のサイズ選びについて解説します。
ヌードサイズぴったりの白衣を選んでしまうと、腕や肩の可動域が狭まるほか、インナーを着用した際に窮屈になり、動きにくくなります。ゆとりのあるサイズを選びましょう。
ただし、大きすぎても布がもたついて邪魔になったり、だらしなく見えたりします。ヌードサイズに何cmプラスすれば適度なゆとりになるかは、以下の表を参考にしてください。
S・M・Lなどのサイズ表記は参考になりますが、メーカー・ブランド・商品ごとに詳細なサイズは異なるため注意が必要です。例として3種類の白衣をピックアップし、Lサイズの数値を表にまとめました。
Lサイズの数値(単位:cm)
CJ-3420とFD-4020はどちらもナガイレーベンの白衣ですが、胸囲には違いがあります。同じLサイズでも、メーカー・ブランドが異なるミズノの白衣との違いは、さらに顕著です。2cm程度の差は小さく思えますが、動きやすさや着心地を左右するため商品ごとに確認しましょう。
ここでは、職種や業務内容に合った白衣の選び方について解説します。
医師におすすめの白衣・ドクターコートの特徴は下記の3つです。
診察やデスクワークで椅子に座っている時間が多い医師は、白衣のお尻部分にしわがつきやすい傾向があります。しわが目立つとだらしなく見えるため、デスクワークが多いなら防しわ加工がおすすめです。
また、繊維上の菌の増殖を防ぐ制菌機能も、常に患者と接する医師にとって重要な機能です。とくにSEK(赤)認証の制菌機能であれば、抗菌よりも幅広い菌に対応できるため、院内感染等のリスク軽減に役立ちます。
大きなポケットは聴診器や小型タブレットなどを持ち歩く機会の多い医師におすすめです。手を空けられるためイレギュラーな作業にも対応しやすくなるでしょう。
実験・研究用に白衣を選ぶ際には、下記の特徴があるものがおすすめです。
薬品などから体を守るため、長め丈・長袖の白衣が適しています。薬品だけでなく火気・熱を扱う場合には、難燃性のある綿素材を選ぶようにしましょう。
ただし、実験用の白衣が大きすぎると、袖や裾が引っかかって事故につながる危険性があります。ストレッチ性のある素材で、体にフィットする白衣を選びましょう。丈は長めがおすすめですが、フレアタイプは不向きです。
なお、細菌類や体液を扱う場合は制菌機能や防汚機能が付いていると、白衣を衛生的に保ちやすくなります。精密機器を扱う場合は、静電気の発生を抑える制電機能が付いたものを選ぶといいでしょう。
訪問医療や医療イベントなどで外出する機会が多い場合は、下記の機能が付いた白衣がおすすめです。
UVカット機能があれば紫外線による肌ダメージや疲れを軽減できるため、屋外でも快適に過ごしやすくなります。また、汗による不快感や臭いを軽減するために、吸汗速乾機能や防臭機能が付いた白衣もおすすめです。
なお、外出先で着用するために白衣を持ち運ぶ機会が多い場合は、軽量設計で防しわ加工が施されている白衣がおすすめです。折りたたんでもしわがつきにくく、清潔感をキープできます。
白衣を頻繁に着用する場合は、お手入れの手間が少ないものがおすすめです。また、エコや環境配慮を重視する施設向けのポイントも解説します。
白衣は、病院やクリニック全体でまとめてクリーニングに出すケースもありますが、開業医や洗濯回数が多い仕事内容などでは、個人で管理することもあるでしょう。次のような機能が備わった白衣なら、お手入れの手間を軽減できます。
家庭洗濯可の白衣であれば、自宅の洗濯機で洗っても問題ありません。とくに形態安定機能が付いているものがおすすめです。洗ったあとも型崩れしにくいため、長く愛用できます。
また、防しわ加工が施されていれば、面倒なアイロンがけの手間を減らせるため便利です。洗濯しても白衣が縮まないように、防縮加工も施されているとより一層安心です。
勤務先や所属する施設によっては、「グリーン購入法判断基準対応」の製品を積極的に選ぶよう求められることもあるでしょう。グリーン購入法は循環型社会形成推進基本法の個別法で、再生品等の環境負荷低減に資する製品・サービスによって持続的発展を目指すものです。
白衣においては、再生PET素材を使用し、エコマーク認定に適合した商品などが「グリーン購入法判断基準対応」と表記されています。指定がある場合は確認しましょう。
病院からの指定がなくても、環境への配慮やSDGsへの貢献を考え、グリーン購入法対象商品であることを白衣選びの基準としてみるのも良い方法です。
印刷や刺繍が可能な白衣を選べば、病院やクリニック、医療チームのオリジナルデザインを作ることができます。
クリニックや医療チームのロゴをプリントや刺繍で加えれば、チームに一体感が生まれ、モチベーション向上にもつながります。さらに、チームごとに異なるカラーを使用すれば、識別しやすくなり、実用面でも便利です。
また、個人の名前を刺繍で入れることで、自分だけの特別な白衣になり、より愛着が湧きます。ネーム入りの白衣は、医療従事者へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう。
ラクスルでは、次のような箇所に印刷・刺繍が可能です。ただし、商品によって違いがあるため、印刷デザイン画面で確認しましょう。デザインを施したい場所が決まっている場合は、印刷箇所で絞り込み検索もできます。
白衣を選ぶときは動きやすさやインナーを考慮し、ゆとりのあるサイズを選びましょう。また、S・M・Lなどのサイズ表記だけでなく、胸囲や肩幅などの寸法を商品ごとに確認することをおすすめします。
また、職種や施設の環境に合った機能・形状・素材を選ぶことも大切です。適したものを選べば快適性や安全性が向上し、業務効率アップも期待できます。
お気に入りの白衣がみつかったら、プリントや刺繍によるカスタマイズも、ぜひご検討ください。