医師や看護師など医療従事者にとって欠かせない医療用スクラブは、衛生的に管理しなければなりません。しかし、「どんな洗剤を使えば良い?」「洗濯機?手洗い?」など、悩んでいる人も多いでしょう。
そこで今回は、医療用スクラブの洗濯の仕方や汚れの種類別の洗剤、効果的な干し方について徹底解説します。血液汚れや真新しいスクラブを洗うときの注意点も解説するので、スクラブをはじめて自宅で洗濯する人はぜひ参考にしてください。
スクラブは基本的に自宅で洗濯可能です。スクラブは英語で「ごしごし洗う」を意味するscrubを語源としており、高い洗濯耐久性を持っています。頑固な汚れをしっかり落としても、生地や縫製が劣化しづらいウェアです。
ただし、汚れの種類によっては家庭洗濯が難しい場合もあります。また、特殊加工を施したスクラブなど、家庭洗濯不可としているものもあるため注意が必要です。家庭洗濯不可の場合は、タグの洗濯表示欄に水桶にバツ印のあるマークが記載されています。
スクラブを家庭洗濯するなら、まずは洗濯機可または手洗いのみ可なのかを確認しましょう。スクラブのラベルについている洗濯表示をチェックしてください。下記の表示例のように、記号と注意書きで可能な洗濯方法が示されています。
防水・撥水加工が施されたものの中には、洗濯機の使用が不可となっているものもあります。その場合、手洗い可の表示があれば手洗いを、手洗いもできない場合はクリーニング店へ洗濯を依頼しましょう。
続いて、スクラブを洗濯する時に使う洗剤の選び方を解説します。汚れの種類や程度によって適した洗剤が異なるので、以下のポイントをチェックしてください。
汗や軽い汚れなど通常の汚れであれば、一般的な中性洗剤でOKです。生地を傷めにくく、色落ちや変色のリスクも軽減できます。洗剤の使用量・使用方法は、ほかの衣類と同様、パッケージに書かれた通りにしましょう。
簡単に落ちないしつこい汚れには、酸素系漂白剤を使うのがおすすめです。漂白力や洗浄力は塩素系漂白剤や強アルカリ性洗剤の方が強力ですが、白く色落ちしてしまいます。色・柄物のスクラブには、色落ちせず生地も傷めにくい酸素系漂白剤を使いましょう。
どうしても汚れが落ちない場合は、弱アルカリ性洗剤を使うという選択肢もあります。酸素系漂白剤よりも洗浄力が高いので、汗や皮脂の汚れが落ちやすくなります。ただし、色落ちするリスクが高いので、色・柄物にはなるべく使わないようにしましょう。
油性インクの汚れにはエタノールを使いましょう。以下の手順で、落ちにくいインク汚れをきれいにできます。ポケットなどに油性ペンの汚れが目立つ場合は試してみてください。
エタノールをしみこませる際は、トントンとやさしく叩くことがポイントです。強く擦ってしまうと、繊維に汚れが入り込んで取れにくくなってしまいます。
次に、スクラブを洗濯する際の注意点を解説します。自宅でスクラブを洗濯する際は、以下の4点のポイントを確認しましょう。
血液の汚れは30度以下の水で洗いましょう。通常の汚れはお湯で洗うと落ちやすいですが、血液はお湯で固まってしまうので必ず水を使ってください。また、長時間放置すると汚れが酸化して落ちにくくなるので、汚れたらなるべく早く洗浄することも重要です。
水洗いでも落ちない時は、液体洗剤を直接塗布して染み抜きの要領で洗いましょう。血液がシミになった部分に洗剤をつけ、しばらく置いたらつまむようにして洗います。この際も血が固まらないように、お湯ではなく30度以下の水を使用してください。
洗濯時には、必ず洗濯表示を確認しましょう。スクラブは防汚・撥水加工が施されたものが多く、塩素系漂白剤が使用できない場合もあります。アルカリ性成分が防汚や撥水加工を剥がしてしまう可能性があるからです。
また、高通気・撥水・形態安定を持つ場合、柔軟剤も使用できない場合があります。柔軟剤が繊維をコーティングしてしまうためです。通気用の隙間が狭まったり、撥水加工の上に重なってしまったりして、機能低下を引き起こす可能性があります。
特に機能性が豊富なスクラブは、以下のような洗濯表示をチェックしておきましょう。
柔軟剤不可の場合は、洗濯表示のマークの下に文言で記載されています。
はじめてスクラブを洗うときは、ほかの衣類に色移りする可能性があるので単独で洗いましょう。特に濃い色の場合、白や淡色系の衣類に色が移りやすいので注意が必要です。
また、薬品や体液の汚れが付着している場合は個別に洗うことをおすすめします。洗濯中に汚れがほかの衣類に移ってしまう危険性があるためです。特に肌に直接触れる下着類は、スクラブの汚れが移らないように分けて洗濯してください。
複数の衣類と一緒に洗う場合は、スクラブを洗濯ネットに入れましょう。そのまま洗濯するとほかの衣類のファスナーでひっかけたり、摩擦で生地が傷めたりするリスクがあります。ほつれや生地の傷みは見た目の印象も悪くなるので、ネットを使って洗濯しましょう。
洗濯後の干し方としては、風通しの良い場所での陰干しがおすすめです。直射日光に当てると色落ちや機能性の低下を招くリスクが高まります。また、乾燥機を使用する場合は必ず以下のような洗濯表示を見て、使用可能かどうか確認しておきましょう。
以下のような機能を持つスクラブは洗濯やお手入れがしやすく、管理に手間がかかりません。スクラブ選びのポイントとして、機能性もチェックしましょう。
吸汗速乾性の高いスクラブは、汗だけでなく洗濯後の水分もすぐに乾くのが魅力です。防しわ・形態安定性があるものは、洗濯後のしわや型崩れを防ぎやすいのでアイロンがけなどの手間を減らせます。以下に多機能なスクラブを紹介していますので、ぜひご覧ください。
今回は、医療用スクラブの洗濯の仕方や注意点、干し方などについて解説しました。スクラブは汗や薬品などで汚れやすいので、清潔感を保たなければなりません。自宅で洗えるものが多いので、洗濯表示タグをよくチェックして正しい方法で洗濯しましょう。
汚れ方によっては洗剤の種類や水温にも注意が必要です。また、鮮やかなカラーリングのスクラブの場合は、色落ちや色移りがしないように注意しましょう。これら洗濯時の注意点に加え、多機能で管理しやすい商品を選ぶのもポイントです。
自宅でスクラブを洗う必要がある人は、ぜひ本記事で洗濯方法をチェックしてみてください。