料理人のユニフォームとして使われるシェフパンツは、厨房での作業に適したデザイン・機能を持つパンツです。しかし、一口にシェフパンツといっても形状や機能性にさまざまな違いがあり、選び方の基準がわからないという人も多いでしょう。
そこで今回は、シェフパンツの選び方をサイズ・デザイン・機能の観点から解説します。決め手となるポイントを知ることで自分にぴったりの商品が見つかります。飲食店で料理人として働く人や、スタッフ用ユニフォームを探している人はぜひチェックしてみてください。
シェフパンツとは、その名の通り料理人が厨房で着用するために作られたパンツです。コックパンツとも呼ばれています。厨房で動きやすいようにゆったりめに作られたものが多く、ウエストゴムやドローコード仕様のものが主流です。
もともと、ストレッチ性があまりない綿100%で作られたものが多く、動きやすさを確保するためにゆとりを持たせた商品が一般的でした。しかし最近では、ポリエステルと混紡したストレッチ素材のタイトなシルエットのシェフパンツもあります。
ここからはシェフパンツの選び方を解説します。サイズ・機能・形・色や柄、規格への対応の観点から、商品を選ぶポイントをご紹介します。
シェフパンツはウエストサイズを基準に選ぶのが基本です。商品詳細ページのサイズ表記を確認してジャストサイズを選びましょう。ウエストにゴムが入っているものやドローコードがついたものなら守備範囲が広く、体形の変化にもある程度適応できます。
作業をしやすくするためには、股上のサイズ選びも重要です。メンズMサイズの場合、股上25cmが普通、25cm以下は浅めになります。屈む作業が多い男性は、股上27cm以上の深めのものがおすすめです。股上深めのパンツなら屈んだ際に腰が出にくくなります。
レディースSサイズなら股上21〜23cmが普通で、24cm以上が深めになります。調理場で屈む場面が多いようであれば自分の股上のサイズもあらかじめ測っておき、深めのパンツを選びましょう。
続いては機能の選び方を解説します。衛生機能・快適機能・お手入れ機能の3つのカテゴリーに分けて詳しく見ていきます。
シェフパンツの持つ衛生機能としては、主に以下のものが挙げられます。
食中毒などの発生を防止するためにも、調理を行う際は衛生機能を持ったシェフパンツを着用しましょう。抗菌や制菌機能を持った商品は、菌の繁殖を抑えるのに効果的です。洗い物の回数が多いなら、水をはじく撥水性を持ったパンツを選びましょう。
上記のほかに、制電機能を持つ商品も調理に適しています。静電気の発生を軽減できるので、ホコリや髪の毛が付着しにくく衛生的です。
シェフパンツの持つ快適機能には、以下のものが挙げられます。
ストレッチ性の高い商品は体の動きに合わせて生地が伸縮します。体を動かしやすいので、厨房内で歩いたり屈んだりする場面が多い人におすすめです。透け防止機能を持つパンツは汗をかいてもインナーが透けにくいので安心して着られます。
屋外で調理をする場合は、UVカット機能を持つシェフパンツを着用しましょう。イベントや屋台など、屋外で長時間作業しなければならない時の紫外線対策におすすめです。
軽量素材でできたシェフパンツは、長時間着ていても疲れにくいというメリットがあります。調理を行う時間が長い人におすすめです。
吸汗速乾性に優れたものは、汗をかきやすい夏場や火を扱う時間が長い人に向いています。洗濯後に乾きやすいという利点もあります。
お手入れのしやすさで選ぶなら、家庭洗濯可や退色防止と書かれたシェフパンツを選びましょう。家庭洗濯可と表示されている商品なら家庭用洗濯機で洗うことができるので、クリーニング店に持っていかなくてもOKです。
退色防止加工が施されたシェフパンツは、洗濯による色落ち・色褪せを防げます。カラーリングが鮮やかなものでも色落ちを気にせず洗濯できるので、お気に入りの色合いを保ったまま衛生的に愛用できるでしょう。
次に、シェフパンツの形状別の選び方を解説します。
ストレートパンツは膝から裾までのシルエットが真っすぐになるように作られたパンツです。オーソドックスな形なのでトップスと合わせやすいのがメリットです。フォーマルでもカジュアルでも使えるので、パンツ選びに迷ったらストレートが良いでしょう。
ただし、裾の長いものを選んでしまうと足元にシワができやすい点がデメリットです。足首周りにゆとりがあるため、長すぎるとシューズの上に生地のたまりができてしまいます。歩きづらく見た目も悪いので、サイズ選びには注意が必要です。
テーパードパンツは、腰から裾に向かって細くなるように作られたパンツです。足元がすっきりと見え、スタイルアップ効果をねらえます。腰回りと太ももはゆとりがあるので、窮屈さを感じにくいのもメリットです。
タイトすぎるものを選ぶと足首が窮屈に感じるのがデメリットです。また、足首が太めの人は、シルエットが強調されるのでかえって太く見えてしまいます。
次に、シェフパンツの色・柄別の選び方を解説します。
白は調理用のユニフォームとして定番のカラーです。汚れがつくとすぐに気がつくので、常に清潔感を保つために多くの料理人が使用しています。上衣のコックコートやコックシャツも白が多いので、見た目に統一感を出せるのも嬉しいポイントです。
黒のシェフパンツはトップスを選ばずにコーディネートしやすいのが魅力です。引き締まった印象を与えるので着やせ効果も得られます。シックで落ち着いた雰囲気も演出できるので、高級感のある飲食店にもおすすめです。
茶色やベージュ系のシェフパンツは、落ち着いた親しみやすさを演出できます。カフェやイートインスペースのあるお店のスタッフ用ユニフォームにおすすめです。また、濃いブラウン系なら汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
チェック柄は親しみやすい雰囲気が魅力です。パン屋さんやレストランで使うとカジュアルなイメージを演出できます。調理だけでなく、レジや配膳などの接客も行うスタッフにおすすめです。
ストライプ柄はすらっとした印象を与えられるので、脚長効果を期待できます。スタイリッシュな雰囲気を演出したい人にぴったりの柄です。柄が目立つのでお店の雰囲気を選びますが、個性をアピールしたい人にはおすすめです。
最後に、商品の管理基準などに対応した商品をご紹介します。
グリーン購入法対応商品とは、グリーン購入法の基本方針の基準を満たす商品です。環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現を目的としています。第三者機関が認定・認証をするものではありませんが、環境への配慮を重視する企業やお店に選ばれています。
HACCP(ハサップ)とは食品の衛生管理に関する国際的手法で、食品事業者はHACCPの基準に沿った衛生管理を行わなければなりません。大規模事業者はHACCPに基づいた衛生管理、小規模事業者はHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められます。
今回はシェフパンツの選び方について解説しました。シェフパンツはサイズ・デザイン・機能などの観点から探すと、自分にぴったりの商品が見つかります。効率よく快適に調理や作業をするためにも、シェフパンツの選び方を知っておきましょう。
調理用ユニフォーム選びに迷っている人は、ぜひ本記事を参考にお店の雰囲気や自分の仕事にふさわしいシェフパンツを選んでみてください。