ネクタイには数多くの種類があり、形・素材・柄が豊富です。定番の形のネクタイだけでも、柄や色によって与える印象が変わってくるため、いざ選ぼうとすると迷ってしまうでしょう。
この記事では、ネクタイを形・素材・柄で分類した20種類を紹介します。それぞれに適したシーンについても解説しますので、ぜひネクタイ選びの参考にしてください。
まずはネクタイの種類について、タイプ別に9種類紹介します。それぞれの印象とマッチすす着用シーンについても解説します。
ダービータイ
ナロータイ
スクエアタイ
蝶ネクタイ
クロスタイ
ループタイ
リボンタイ
アスコットタイ
セッテピエゲ
ダービータイは、幅が7~9cmで、両先端が尖っているのが特徴です。表に出る太いほうを「大剣」、裏に隠れる細いほうを「小剣」と言います。英国貴族のダービー卿が競馬をたしなむ際に着用していたことが名前の由来です。
ネクタイとしては定番のスタイルで「レギュラータイ」とも呼ばれており、ビジネスから冠婚葬祭まで幅広く着用できるデザインです。
デザインはダービータイと同じですが、大剣の幅が4~6cmと細いものをナロータイと呼びます。
きりっとタイトな着こなしができ、スタイリッシュな印象になるのが特徴です。ただ、カジュアルな要素も強いため、フォーマルやビジネスのシーンには不向きです。結婚式の二次会などパーティーシーンで活躍します。
スクエアタイは、先端が水平にカットされているのが特徴です。ニットタイによく見られるデザインで、ナロータイ同様、ややカジュアルな印象が強くなります。
フォーマルや正式なビジネスシーンには適しませんが、やわらかな印象で着こなせるのが魅力です。オフィスカジュアルやプライベートのコーディネートに向いています。
蝶ネクタイはリボン形のネクタイのことで、蝶結びをするネクタイの総称である「ボウタイ」の一種です。ビジネスシーンで着用することはなく、フォーマルシーンやパーティーシーンで着用されるネクタイです。
クロスタイは蝶ネクタイを略したもので、首元でクロスさせて着用するネクタイです。「コンチネンタルタイ」「クロスオーバータイ」とも呼ばれます。
タキシードやブラックスーツに合わせることが多く、セミフォーマルな位置づけです。バーやレストランなどの制服として使用されることもよくあります。
蝶ネクタイ同様、ボウタイの一種で、リボンを結んだデザインのネクタイを指します。
蝶ネクタイがフォーマルで着用されるのに対し、リボンタイは女性のブラウスや学生服、飲食店の制服などによく使用されます。
ループタイは布ではなく紐でできており、装飾が施された留め具で固定する、ネックレスのような形状のネクタイです。「紐ネクタイ」や「ポーラータイ」とも呼ばれます。
紐は組み紐、レザー、金属などが主流です。留め具のデザインによって印象が変わり、ベーシックなものならオフィスカジュアルにも着用できます。華やかなデザインのものはパーティーシーンやプライベートで着用しましょう。
アスコットタイは一般的なネクタイと異なり、スカーフを巻いているかのように見えるほど幅広な作りなのが大きな特徴です。イギリスの「アスコット競馬場」に集まる紳士たちが好んで着用していたことが名前の由来です。
華やかなデザインのものが多く、アレンジ方法も多彩で、主に結婚式などのフォーマルシーンで着用されています。
一般的なネクタイが布を三つ折りにして作られているのに対し、セッテピエゲは七つ折りで作られているのが特徴です。「セブンフォールドタイ」とも呼ばれます。
生地をふんだんに使用しており、また製法にも高い技術が必要なことから、ネクタイの中でも高級な部類に入ります。エレガントなドレープ感が魅力です。
ここでは、ネクタイに主に使用されている生地別に、素材感や特徴、適したシーンについてまとめました。
フォーマルシーンではシルクのネクタイが一般的です。オフィスカジュアルやプライベートなら、夏はリネン、秋冬はウールなど、季節に合わせてネクタイ選びを楽しみましょう。
ここでは、ネクタイの柄と特徴や与える印象について解説します。柄を選ぶ際の参考にしてみてください。
無地(ソリッドタイ)
ストライプ(レジメンタルストライプ)
ドット
小紋柄
ペイズリー
チェック
無地は、柄のない単色のものを指します。なかでも、織柄が入っているものは「ソリッドタイ」と呼ばれます。着用するシーンやワイシャツ・スーツのデザインを問わず合わせやすいのが魅力です。
縞模様デザインのストライプは、ネクタイとしては定番の柄です。斜めに縞模様が入っている場合、正面から見て右上がりのストライプがヨーロピアンスタイル、左上がりなのがアメリカンスタイルと呼ばれています。日本ではヨーロピアンスタイルが主流です。
縞模様の太さや間隔、色合いで与える印象が変わってきます。細いストライプは繊細で実直なイメージ、太いストライプは大胆で華やかな雰囲気があります。太くなるほどカジュアルさが増しますので、場面に合わせて選ぶと良いでしょう。
ストライプ柄の中でも、斜めに縞模様が入っているものを「レジメンタルストライプ」と呼びます。色や柄はさまざまですが、紺色・えんじ色・緑色が入っているものが多く、また縞模様が大ぶりなのが特徴です。
レジメンタルストライプはもともとイギリスの軍旗がルーツとなっているデザインです。そのため、ビジネスシーンでの着用は問題ありませんが、フォーマルの場では避けたほうがいいでしょう。
水玉模様のドット柄は、柄の大きさによって印象が変わります。小さなドットは落ち着いた雰囲気があるため、ビジネスシーンでも着用可能です。
大きなドットはカジュアル・ポップな印象が強く、華やかさもあるためパーティーシーンに映えます。シーンに応じて使い分けましょう。
小花柄や小さな紋章、幾何学模様などが施されたデザインを小紋柄と呼びます。知的で上品な印象があり、ビジネスシーンでもよく着用される人気の柄です。
無地やストライプ柄のワイシャツやスーツに合わせやすいのも魅力です。
ペイズリー柄は、勾玉や葉のような曲線的なモチーフが繰り返されたデザインです。さりげなく控えめなデザインならクラシカルな印象となり、ビジネスシーンに適しています。
柄が大きめのものや、色使いが華やかなものは、カジュアルやパーティーシーンに着用しましょう。
格子模様であるチェック柄は、色合いによって雰囲気が変わります。色数が少なくシックなカラーを選べば、ビジネスシーンでもおしゃれに着こなせます。グレンチェックやタータンチェックは、知的な印象もあり人気のチェック柄です。
一方、ビビッドな色合いのもの、大きめのチェック柄などは、ポップでカジュアルな印象になります。オフィスカジュアルやパーティーシーンに映えるでしょう。
ネクタイはスーツスタイルにおいて目に入りやすく、個性が出やすいアイテムです。どんなネクタイを着用しているかによって、第一印象が大きく変わることもあります。
リクルートや商談、会議などのビジネスシーンでは、無地や落ち着いた配色のストライプ柄、小紋柄などが定番です。
フォーマルな場では光沢感のあるシルクのネクタイや蝶ネクタイ、パーティーシーンではおしゃれなドット柄やチェック柄などを選ぶと、コーディネートが華やかになります。
TPOやシーン、年齢に応じてネクタイを選べるようになると、スーツスタイルをよりいっそう楽しめるようになるでしょう。ぜひネクタイ選びの参考にしてください。