患者衣は入院の際の必需品です。なお、病院によっては患者衣の貸出をおこなっています。
本記事では、患者衣の意味と特徴、種類を詳しく紹介します。定番の甚平タイプや浴衣タイプだけでなく、パジャマタイプ、検診用のプルオーバータイプも登場するので、ぜひご覧ください。
患者衣(かんじゃい)は入院した患者のための衣服です。院内着・入院着とも呼ばれます。
患者衣は患者の快適性向上と、スムーズな検査・診療のための工夫が施されているのが特徴です。短期の入院であれば手持ちのパジャマでも不都合はありませんが、長期入院であれば患者衣の方が楽に感じるでしょう。
病衣(びょうい)は基本的には患者衣と同義ですが、病院の文化によっては、患者衣以外の医師や看護師が着る衣服も病衣のひとつとして呼称することがあるようです。
検診衣は健康診断や人間ドックの際に来院者が着用する衣服です。聴診器や心電図の電極を当てる際に衣服が邪魔しないよう、前開きや胸部・腹部を出しやすい構造が採用されています。
患者衣には次のような特徴があります。それぞれを詳しく解説します。
診察・検査をスムーズにする構造
患者の快適性を追求した素材と工夫
患者の尊厳を守るデザイン
患者衣は診察・検査をスムーズにするために、袖やフロントなどの構造が工夫されています。具体例は次のとおりです。
とくに、前開きを紐で留めるタイプや2枚の布をズラすだけでお腹を出せるタイプのものは、診察のたびに脱ぐ必要がないため便利です。
患者が入院期間中を快適に過ごすための素材が選ばれていたり、工夫が施されたりしているのも患者衣の特徴です。具体例は次のとおりです。
患者衣は胸部や腹部を出しやすいように作られていますが、はだけやすい構造ではありません。患者のプライバシーはしっかり守りつつ、脱ぎやすさには支障がないバランスです。具体例は次のとおりです。
はだけにくさと脱ぎやすさの両立
脇の見えない袖丈
腰の見えない着丈
下着が透けにくい生地
姿勢や下着の色を気にせず過ごせることは、入院中のストレス軽減に役立ちます。
甚平
パジャマ
ガウン
セパレート(プルオーバー・ズボン)
甚平タは、前開き・紐留めのトップスとゴムのズボンを組み合わせるタイプです。次のようなメリットがあります。
年齢・性別・体格を問わず着やすい
診察・検査時に脱ぎやすい
院内を歩きやすい
ただし、紐の結びがゆるいと就寝中などで、はだけることがあります。
パジャマは、前開き・ボタン留めのトップスとゴムのズボンを組み合わせるタイプです。次のようなメリットがあります。
年齢・性別・体格を問わず着やすい
はだけにくい
ガウン・浴衣タイプはズボンを着用しなくても良い、ロング丈の患者衣です。ズボンの脱ぎ履きが難しい状況には、このタイプが適しています。マタニティ用の患者衣でも多くみられるタイプです。
プルオーバーのトップスとズボンを合わせるセパレートタイプは、検診衣で多くみられるタイプです。首から被って着るタイプですが、前開きがしやすい構造のものが展開されており、検査はスムーズに進められます。
患者衣は患者のプライバシーを守りつつ、診断・検査をスムーズにする衣服です。快適性も高いため、長期入院のストレスを軽減するのに役立ちます。
なお、医療関係者の方はプリント・刺繍でカスタマイズできる患者衣を検討してみてはいかがでしょうか。病院のオリジナルロゴ入りの患者衣を作れば、レンタル品と患者の私物を見分けやすくなります。